業種別
AML/CFT

リスクベース・アプローチの取組み 
再改正犯収法に対応した実効的なAML/CFT態勢の構築

2016.04.15

Summary

  • 国際的にAML/CFT(マネー・ロンダリング/テロ資金供与対策)を監視するFATF(Financial Action Task Force)は、2014年6月、日本に早期改善を促す警告を行い、同年11月、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(以下犯収法)の再改正を含むAML/CFT関連3法が成立しました。
  • 再改正犯収法(10月1日全面施行予定)は、2008年のFATF第3次対日審査の不備に対応すると同時に、次期審査を視野に入れたリスクベース・アプローチを採用しています。
  • 我が国がAML/CFT後進国とならないよう、速やかな対応が望まれます。

リスクベース・アプローチの導入

概要 マネー・ローンダリングのリスクに応じた効果的なコントロールを適用することにより、リスクを管理するアプローチのことです。
再改正犯収法では、
(1)リスク・アセスメント(特定事業者作成書面)
(2)リスクに応じた取引時確認・顧客管理
(3)リスクに応じた疑わしい取引の届出
といった形でリスクベース・アプローチを取り入れています。
リスク・アセスメント
(特定事業者作成書面)
金融機関自らが行う取引について調査分析し、その結果をリスク・アセスメント(特定事業者作成書面)としてまとめ、必要に応じて見直しを行い、必要な変更を加えることと規定しています。
リスクに応じた取引時確認・顧客管理 ハイリスクの場合は厳格な顧客管理、通常のリスクの場合は通常の顧客管理、低リスクの場合は簡易な顧客管理といった3段階のリスクに応じた顧客管理の体系が整備されました。
また、各金融機関が自主判断でリスク評価を実施する裁量も与えられています。
リスクに応じた疑わしい取引の届出 疑わしい取引の判断については、疑わしい点の有無の判断、取引記録や事業者のリスク・アセスメントに従った判断、AMLに関するハイリスク国家・地域との取引の有無の判断が求められます。

実効的なAML/CFT態勢の構築

  • 2012年に公表されたFATF新勧告では、金融機関によって施策が有効に運用されているかといった有効性に関する審査について強調されています。
  • 2015年12月に公表された米国NY州金融サービス局の規制案では、有効な施策を求めるために、リスク・アセスメントを基礎とし、適切なシステム設定、データ一貫性の検証、諸設定などの資料の十分な文章化、関係者への研修、継続的な有効性の評価などの態勢の構築に関するコンプライアンス責任者の宣誓書の提出が義務付けられています。
How we see it

リスクベース・アプローチの意図は、単なるリスクの高・中・低の段階付けではなく、それぞれのリスクに応じた効果的なAML/CFT施策の実施といった点であることを忘れてはなりません。正しいAML/CFTのリスク評価を行うことは、効果的な施策を実施するための必要条件に過ぎません。十分に効果的であることを実証するためには、コンプライアンス責任者の宣誓をまで要求するNY州金融サービス局の規制案等も参考にした本格的な取り組みが必要になるでしょう。

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