業種別
税務ガバナンス

金融機関の税務ガバナンス事情 
税務環境の変化を踏まえた管理体制の高度化へ向けて

2016.11.11
蝦名 和博
EY税理士法人
パートナー 税理士
主に外資系銀行および国内金融機関に対する税務コンサルティング業務および税務コンプライアンス業務に従事。
金融機関および金融取引に係る国際税務、金融商品会計および税務、グローバル税務管理体制の構築支援およびアドバイス、金融機関消費税適正化支援、証券化・流動化・ファンド投資のストラクチャリング、国内およびクロスボーダーのグループ内再編に係る税務アドバイス等実績多数。
谷口 景介
EY税理士法人
マネージャー 公認会計士
主に外資系銀行および国内金融機関に対する税務コンサルティング業務および税務コンプライアンス業務に従事。 主な関与案件は、金融機関等に対する申告作成業務等のタックスコンプライアンス業務や、クロスボーダーファイナンス、金融商品組成、信託を利用したストラクチャー、消費税適正化等に関するアドバイザリー業務等。

Summary

  • BEPS行動計画に基づく課税ルールの変更、一部のグローバル企業に見られる新聞報道やパナマ文書等を発端とした租税回避行為に対する社会の関心の高まりなど、金融機関を取り巻く税務環境が大きく変化しています。
  • 金融機関は自社税務コンプライアンスとともに、経営戦略やビジネスの遂行、金融機関のレピュテーションに対する影響の観点で、顧客税務コンプライアンスについても税務リスクを有しています。
  • BEPS行動計画のほか、国税庁による「税務に関するコーポレートガバナンスの取組」の公表や、英国における税務戦略開示規制、共通報告基準の導入・適用、租税回避行為や脱税ほう助等に対する各国規制など、ここ数年で金融機関の税務に影響を与える多くの関連規制が公表されています。

金融機関を取り巻く税務環境

一部の欧米多国籍企業による過度な節税行動や2016年以降のパナマ文書の情報流出に関連する一連の報道等による租税回避行為への世界的な関心、OECDによるBEPSプロジェクトの推進、およびこれらを受けた各国の税務当局による税制改正といった国際的な動向により、金融機関は自社税務コンプライアンスに係るリスクへの対応に加えて、ビジネス、風評対応および関連法令・規制の観点から、顧客へ提供するサービス起因する顧客税務コンプライアンスに係るリスク対応が課題となっています。また、外部のステークホルダーとの関係で、CSRの一環として納税情報や税務に係る行動規範等の税務情報を開示する企業が増えてきており、税務の透明性確保への取組みが企業グループに対する新たな評価軸になりつつあります。

金融機関が税務ガバナンスを構築する上での課題

金融機関の税務ガバナンスは、企業価値の向上と経営戦略やビジネス活動の継続的で円滑な遂行を目的とするものですが、主に次の点が実務上の課題となります。

  • 自社税務コンプライアンスと顧客税務コンプライアンスに関する全社統一的なリスク管理体制の構築・運用
  • 対外的な税務情報の開示
  • 外部委託リスクの管理体制の構築・運用
  • 会社法や金融商品取引法など既存の関連法令(内部統制システム、コーポレートガバナンスの強化等)や自己資本比率規制等金融規制の下で整備・運用される体制との連携

How we see it

  • 各国の税制や国際課税ルールは、今後も各国の連携の下で改正されていくことが想定されます。
  • 税務リスクの高まりと税務の透明性が要請される時代にあって、金融機関は許容可能な税務リスクや税務コスト水準の下でビジネスを継続していくため、自社税務と顧客税務の両面で適切な税務ガバナンスの構築を検討していく必要があります。
  • 実効性のある税務ガバナンス構築の検討に当たっては、特に、自社税務および顧客税務コンプライアンスに係る全社統一的な管理体制の構築・運用、対外的な情報開示、外部委託リスクの管理体制が実務上の課題になると考えられます。

【お問い合わせ先】

EY税理士法人
パートナー 蝦名 和博
マネージャー 谷口 景介
Tel: 03 3506 2411
E-mail: tax.knowledge@jp.ey.com
     RAAT@jp.ey.com

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