業種別
店頭デリバティブ

グローバルにビジネスを展開している日本の金融機関が考慮すべきMiFID IIの域外適用の可能性

2017.03.01

欧州連合(EU)では、投資家保護の強化と市場機能の向上を目的として、2014年に、MiFID(2007年施行)を改正し、MiFID II / MiFIRを策定しています。MiFID II / MiFIRは、市場構造、市場の透明性、投資家保護の3本柱により構成され、以下のような特徴があります。

①投資家保護の強化を目的とした要件の拡充 ②(対象となる)資産クラスの範囲の拡大 ③取引施設における取引の要請の強化 ④透明性の強化

今後、加盟国において2017年7月3日までに国内法制化が行われ、2018年1月3日に適用の開始が予定されています。

MiFID II は、EU域外に及ぼす影響に関して明確には触れていませんが、現在、多くの金融機関が法律事務所やコンサルティング会社の協力を得ながら、市場構造、市場の透明性、投資家保護に関連する規制の域外適用の可能性について調査を進めています。域外適用は様々な要因により生じると考えられ、その要因は以下の図のように整理することができます。

(下の図をクリックすると拡大します)

例えば、日本企業(第三国の企業)にMiFID II の影響が及ぶケースとして以下のようなものが考えられます。

  • 1.日本のリーガルエンティティの日本に所在するトレーディングデスクが、EUに所在する投資企業である顧客に対し、EUと日本双方の取引施設に上場している(重複上場)株式商品の執行業務を行う場合
  • 2.日本のリーガルエンティティの日本に所在するトレーディングデスクが、対顧取引を行い、当該取引をMiFIDの規制を受ける欧州企業にリモート(海外)ブッキングする場合
  • 3.日本企業が、EU顧客に対し、無料のリサーチサービスを提供する場合
  • 4.日本企業が、EU企業が組成した商品を販売する場合

日本を含む域外のビジネスにMiFID IIの影響が及ぶ場合、取引フロー、データ捕捉、取引記録、取引プラットフォーム、報告システムなど、様々なプロセスやシステムの変更が必要となる可能性があります。

適用まで1年を切った今、グローバルにビジネスを展開している日本の金融機関は、傘下のリーガルエンティティにわたって、現在のビジネスやブッキングモデル、事業戦略を踏まえつつ、MiFID IIが適用される可能性を検討する必要があると考えられます。

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