業種別
ブロックチェーン

ブロックチェーン技術の開発動向 
~参加者を拡大させながら、開発が進むブロックチェーン技術~

2017.07.14

Summary

  • 全国銀行協会が公表した「ブロックチェーン技術の活用可能性と課題に関する検討会報告書」では、一般にブロックチェーン技術が適する業務・取引に、「台帳を共有することに何らかの価値が見出せる業務・取引(分散型の情報連携、ビジネスプロセスの可視化、トレーサビリティの確保等)」などを挙げています。
  • ブロックチェーン技術を活用したシステム開発の評価に際して、経済産業省(以下「経産省」)が公表した「ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸」では、ブロックチェーン技術の固有の論点を踏まえることの必要性を挙げています。
  • 最近、多くのブロックチェーン技術関連のコンソーシアムが誕生し、コンソーシアムからブロックチェーン技術を使ったプラットフォームがリリースされています。プラットフォームを利用することで、ブロックチェーン技術に直接関連する開発を行わずにアプリケーション層の開発に専念できるのではと期待されています。

【プラットフォームがブロックチェーン技術利用システムの開発を加速する】

ブロックチェーン技術を用いた実証実験が進むにつれ、安全に台帳を共有するためのシステム構築に貢献できるという期待が一層高まっています。そうした中、ITベンダー単独による実証実験期間を経て、利用目的が同じ者が共同で開発を進めるコンソーシアム形態に移行する動きがあります。

一般的なコンソーシアムでは、ブロックチェーン技術を使ったプラットフォームをリリースしています。通常、ブロックチェーン技術を使ったプラットフォームは、アプリケーション層の開発者向けにAPIを提供しています。開発者がプラットフォームのAPIを通じて、ブロックチェーン技術が適用された機能やデータを利用できればアプリケーション層の開発ができるようになるため、新規開発参入を推進することになると期待されています。

【国内外のプラットフォーム(一部)】

プラットフォーム コンソーシアム 主なITベンダー 目的
Fabric HyperLedger IBM 汎用
Iroha HyperLedger ソラミツ 汎用(国産)
Corda R3 R3CEV 金融
RCクラウド
(Ripple solution)
内外為替一元化
コンソーシアム
Ripple 内外為替

How we see it

  • 新規口座顧客の情報管理業務や為替取引など、「台帳を共有することに何らかの価値が見出せる業務・取引」には、ブロックチェーン技術の活用可能性があります。
  • 顧客手続負担軽減を目指した銀行間の新規口座顧客の情報共有やオペレーションコストおよび送金手数料を低減するための為替取引などのシステム開発にブロックチェーン技術を適用する場合は、すでに目的に合ったプラットフォームが存在しているかを確認し、存在していれば単独開発とプラットフォーム利用開発とを比較検討する必要があります。
  • 金融機関がブロックチェーン技術を活用したシステム開発を評価する際は、従前の評価手続きにブロックチェーン技術を活用したシステム固有の論点を踏まえた評価手続き(経産省が公表した評価軸など)を加えることで、システム開発のさらなる品質向上が期待されます。

【筆者プロフィール】

並木 智之
並木 智之
新日本有限責任監査法人
マネージャー
EYにおいて、システム導入にかかわる支援業務(会計パッケージ選定支援、業務および情報システムの現状分析、情報システム化要求事項の整理)、データ分析による監査支援業務を多数経験。現在、EY JapanのFinTech推進チームのメンバーとして、FinTechベンチャー、金融機関双方に対するサービス展開を支援している。中でも、ブロックチェーンに関する技術面を担当、ベンチャーと業務関係者とのブリッジ役を担っており、ブロックチェーンを利用したサービスのRFPの作成や実証実験(PoC)のプロジェクトマネジメントに従事している。
また、ブロックチェーンをテーマとした金融機関や投資家向けの講演講師も経験している。
 
※所属・役職等は掲載当時

【お問い合わせ先】

金融部
Tel: 03 3503 1088
E-mail: RAAT@jp.ey.com

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