業種別
公益法人制度

非営利組織に期待すること

2016.06.23
滋賀県議会 良知会
元内閣府公益認定等委員会委員
海東 英和

非営利デスクでは、非営利組織の在り方というテーマでセミナ-を開催し、そのなかで、「非営利組織に期待すること」として、元内閣府公益認定等委員会委員の海藤英和氏にご講演頂きました。

概要は以下のような内容です。

1. 公益法人制度改革

公益法人制度改革は、明治29年の民法34条法人としてスタートしてから、119年ぶりの大改革となった。旧制度では、主務官庁が法人の設立から公益性の判断、運営につき指導監督を一括して行ってきた。この度、制度改革により、設立は、登記により可能であり、公益性は、私も委員を務めさせていただいた内閣府の公益認定等委員会で、法律に従い、判断して、現在約9,500法人の公益社団・財団法人を生み出してきている。設立後の運営は、法人の自立的なガバナンスに任され、行政庁は、法律に定められた認定要件を継続的に満たしていることを監督していくのみの仕組みとなった。

これにより、社団法人であれば、志のある2名の社員が集まれば、公益性を民間委員の合議により判断され、例え、小規模な法人でも設立が可能となった。例えば、年間の事業費が50万円でスタートし、財産はなくとも公益社団法人として立派な活動をしている法人も存在する。

また、阪神淡路大震災を機に特定非営利活動促進法が議員立法により成立し、市民によるボランティア、社会貢献活動が増進されてきており、公益法人と、また異なる組織として、非営利活動を担う法人として特定非営利活動法人(NPO法人)も約5万を超える法人が活動をしている。

2. 東日本大震災と公益法人制度改革

東日本大震災が起こったとき、公益法人制度改革の真価が発揮された。公益認定等委員会の故池田守男委員長が、公益法人に対してメッセージを発信し、迅速な審査を行い、現地の被災者救済に向けて、いち早く救済の声を上げた公益法人の活動を法律に沿って公益性の判断を行い、現場での活躍の機会を与えたことは、今も鮮明に記憶している。その一法人には「公益財団法人ヤマト福祉財団」がある。障がい者福祉を主たる事業とする法人であったが、被災地の産業施設支援をはじめ、復興支援のための事業を行うことを取り決め、更に出資者であるヤマト運輸(株)は、宅急便一つにつき、10円の寄付をすることを決めて、いち早く140億円の支援行った。また、「公益財団法人日本財団」は、「明日の10万円より、今日の5万円」と、他団体の支援よりも早く、被災地に見舞金(義援金)、被災地支援団体への支援金を交付する活動をされた。

もし、旧制度であったら、定款に定められた事業以外を行うには、高い壁があり、たとえ、志があろうとも迅速な支援には繋がりにくかったと思うところである。

他にも、カゴメ(株)、カルビー(株)、ロート製薬(株)という法人のトップが力を合わせ、震災遺児を応援する「公益財団法人みちのく未来基金」を設立して、長期的に支援をしていく財団を立上げ、志が共鳴し、垣根を越えていく姿を、今でも尊いことであったと感じている。

3. メディアへの期待

まだまだ、ご紹介したい公益法人はたくさんある。歌舞伎町では、「公益社団法人日本駆け込み寺」は、暴力から逃げてきた人、刑務所出身者ほか、社会において生活をしていくために、目の前のその人を助けるという地道な活動をされている法人もある。難病の子供をディズニーランドに連れて行き家族全員が楽しんでもらうことも事業の目的とする「公益社団法人難病の子どもとその家族に夢を」の活動も素晴らしい。多くの公益活動をする法人をぜひ、多くの人に知っていただきたい。

故池田守男委員長は、「与うることは、幸いなり」と常に唱えられ、温かく公益法人の活動を見守っていた。この志は、今後も公益活動の発展とともに引き継いでいただきたい。

最後にファンドレイジングを楽しく、日常のこととしてほしい。ネット社会は、百万の応援団に匹敵する。テレビで例えば、スポーツ観戦をしていて、感動したシーンがあれば、Dボタンを押して、寄付ができるという仕組みができたら、選手は、どれだけの応援をいただくことができるであろう。豊な日本を民による公益の増進で創っていきたい。




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