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公益法人制度

「非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」の改正」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

2017.02.21

平成28年12月22日付で日本公認会計士協会非営利法人委員会は、「非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」の改正について」を公表しています。(平成29年2月に一部形式的な訂正がありましたが、内容に基本的な訂正事項はありません。)

本実務指針の公表に当たっては、「公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」(平成27年3月26日公益認定等委員会公益法人の会計に関する研究会)に基づき、平成27年4月24日に内閣府公益認定等委員会委員長から会長あてに「公益法人の会計に関する諸課題の更なる検討について(協力依頼)」が発出されたことを受け、協力依頼があった事項について、非営利法人委員会における検討されています。

内閣府公益認定等委員会から、27年度報告へ記載のあった企業会計基準について、一部を除き原則として適用されるべきとの見解が示されたため、公益法人が適用する場合の具体的な適用方法や会計処理の公表が必要と思われる企業会計基準について、同委員会からの協力依頼に基づき、公表しようとするものです。

主な改正内容として、新たに以下の項目が新設されたことです。各項目について、設例や開示例を用いて解説されています。概要は以下のとおりです。

2. 過年度遡及会計基準

(1) 会計上の取り扱い

原則として、企業会計基準に準拠することになります。適用にあたっての重要性に関する規定も同様に適用されます。なお、未適用の会計基準等に関する注記については、法人の判断により適用することとなります。

(2) 会計処理及び財務諸表における開示

設例1~5により、会計処理と表示例について解説しています。設例の内容は以下のとおりです。

  • 設例1-1 会計方針の変更(遡及適用を行う場合)棚卸資産の評価方法の変更
  • 設例1-2 会計方針の変更(遡及適用の原則的な取扱いが実務上不可能な場合)過年度遡及会計基準弟9項(1) 棚卸資産の評価方法の変更
  • 設例1-3 会計方針の変更(遡及適用の原則的な取扱いが実務上不可能な場合)過年度遡及会計基準弟9項(2) 貯蔵品の評価方法の変更
  • 設例2 表示方法の変更 その他固定資産の表示
  • 設例3 会計上の見積りの変更 耐用年数の見積もり変更
  • 設例4 減価償却方法の変更 定率法から定額法への変更
  • 設例5 過去の誤謬の訂正

5. 金融商品会計基準(開示関係)

(1) 財務諸表における開示

企業会計基準で定める開示対象のうち、公益法人の特徴を加味して、開示対象を限定しています。企業会計基準で定める事項のうち、金融商品の内容とそのリスク、リスク管理体制等金融商品の状況に関する情報を開示します。企業会計基準で規定する全ての金融商品を対象とするのではなく、株式その他出資証券及び公社債等の有価証券ならびにデリバティブ取引、等の法人の資産運用を図る手段として用いられる金融商品に限定しています。法人が当該金融資産の運用しだいでは公益目的事業の安定的な持続可能性に影響を与えることなど法人運営に相当のリスクをもたらす恐れがあると判断する場合に注記すべきであるとなっています。なお、開示例として、27年度報告の開示例を引用しています。

9. 賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準

(1) 賃貸等不動産の範囲及び時価

  • 企業会計基準と同様の取扱いであり、同基準に記載のある以下の不動産が範囲に含まれます。
    • 貸借対照表において投資不動産として区分されている不動産
    • 将来の使用が見込まれていない遊休不動産
    • 上記以外で賃貸されている不動産
  • 重要性が乏しい場合に注記を省略するかどうかを判断するにあたっての留意点について指針があります。対象の不動産の時価を基礎として算定した金額と当該時価を基礎とした総資産の金額の比較をもって判断します。しかしながら、公益法人の特有の事情を加味することが定められています。
    • 公益法人の利害関係者は投資目的を有していないことから、利害関係者に対する時価開示の意義は限られていること
    • 公益目的保有財産や実施事業資産として保有されている賃貸等不動産は事業実施にきょうされることを直接の目的とした財産であること
  • 注記対象の時価
    企業会計基準と同様の取扱いとなっています。なお、開示対象の賃貸等不動産の重要性については、公益法人の特徴を考慮することも定められています。

(2) 財務諸表における開示

企業会計基準に従い、公益法人に即した開示例の記載があります。開示例は、賃貸等不動産を一括して注記する場合と賃貸等不動産の管理状況に応じて区分して注記する場合の2つを示しています。


本改正の適用時期については、平成28年4月1日から開始する事業年度から適用されます。また、同日前に開始する事業年度から適用することも妨げないこととされています。

詳細は「日本公認会計士協会」のウェブサイトをご確認ください。

※本実務指針の取りまとめに当たっては、平成28年10月13日から平成28年11月13日までの間、草案を公開し、広く意見を求めました。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表されています。

 


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