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M&A最新動向と日本企業への示唆 グローバルリーダーインタビュー 

第2回 テクノロジー業界の日本企業への示唆

2016.06.02

グローバルのテクノロジーセクターのトランザクションアドバイザリーリーダーのJeff Liu氏と日本エリアリーダーのJoseph Steger氏が2016年5月に来日しました。

日本のテクノロジーセクターのトランザクションアドバイザリーリーダーである岩本昌悟がファシリテータとなって、世界各国のテクノロジー企業の経営幹部とM&Aや投資について、日々検討議論を重ねている両リーダーにお話を伺いました。

Jeff Liu
Jeff Liu
Transaction Advisory Services
Global Sector Leader, Technology
Joseph Steger
Joseph Steger
Transaction Advisory Services Partner, Americas Japan Inbound Transaction Advisory Services Leader
岩本 昌悟
岩本 昌悟
マネージング ディレクター
テクノロジー
トランザクションアドバイザリーリーダー

岩本
"第3の波"を上手く利用する成功要因とはなんでしょうか。
Joseph Steger

伝統的な大企業がIoTサービスを提供する企業を買収し、第3の波に乗ることは可能でしょう。ただ、これは第3の波に乗る1つの方法でしかありません。

伝統的な大企業にしても、新規参入の小企業にしても、全てのサービスを1つの企業だけで提供するのは無理だと言うことを学び、他企業と協力しあう体制を作る必要があります。UberやAirbnbのような企業(1つの企業で新しいアイディアを提供している)はむしろ稀なのです。

ただ、第3の波はUberやAirbnbのような企業が存在する機会を与えたこと忘れるわけにはいきません。第3の波による技術があったからこそ、こう言った企業が今日存在していると言えるのです。


(左より) 岩本昌悟、Joseph Steger、Jeff Liu

岩本
日本のテクノロジー企業の方々へ最後にメッセージをお願いします。
Jeff Liu

現状の日本企業について考えると、日本企業は既にグローバル化に取り組んでいるものの、今後よりグローバル化を推進する必要があると思います。その為には、M&Aと新テクノロジーにおけるIndustrial mash-upsのコンビネーションが必要となるでしょう。現在の業界のトレンドを考えると、日本企業は今後、決定力に加え、迅速にその決定を実行する力が求められるでしょう。

経済成長率が高いこともあって、東南アジアへの興味が世界的に高まってはいるものの、透明性やその他の問題のせいで、今はまだ米国や欧州の方が市場としては魅力的であると言えます。しかし、将来的には新興国市場の成長機会は大きいと考えています。 日本企業が今後成長を求める際、日本市場だけでそれを達成するのは難しいと思います。その為、東アジアなどの近隣の地域や米国市場に目を向けることになります。ただ、外部の力を借りずに自前主義で展開するのは容易ではなく、最も早く企業のサービス領域を拡大するために、M&Aを通してビジネスを成長する必要となるでしょう。

Industrial mash-upsの利点は、サービス領域の結合に高い親和性があることに加えて、決定したことを素早く実行できることがあげられます。良い例として、EYとGEのIndustrial mash-upsの事例を紹介しましょう。JVでは必要な契約書が200ページという膨大な量になることがよくありますが、Industrial mash-upsではたったの2ページの契約書で済むのです。GEは一企業のみでは今のイニシアティブを達成することができませんでした。迅速な戦略の実現が必要不可欠であると考えた場合、Industrial mash-upsは非常に意義深いと考えているのです。

日本企業に限定して言うと、日本のハイテク企業は強いブランド力を持っており、エンジニアリングのノウハウも強いです。ただ、短期的な開発のみを目標にするのではなく、長期的な視点を持つ必要があります。また、ハードウェアには強いが、今後はソフトウェアやソリューション提供の分野での開発が必要となって来るでしょう。

私は今回の来日にあたり、多くの日本企業の経営幹部とディスカッションを行いました。いつでも日本企業をグローバル化に導くサポートをするので、戦略を検討する際にはぜひ相談をしてほしいと思っています。

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