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情報センサー2019年新年号 EY Advisory

BPOにおけるベンダー選定について

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング(株)
IAドメイン 服部伸一郎
外資系のBPOベンダーやコンサルティング会社で、BPO/SSC設立やデリバリー、業務改革、要員再整理や人事制度設計など多数のプロジェクトに参画。当法人では、BPO / SSCの戦略立案、設計、立ち上げから、デリバリー以降の各種管理(契約管理、プロセス管理など)までを支援する、SRA(Sourcing Risk Advisory)サービスのリードを務める。EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング(株) パートナー。

Ⅰ はじめに

日本国内では、少子高齢化による労働人口減少に伴う人材不足が顕著となってきており、その賃金も高止まり傾向にあります。その影響下、多くの企業が経理・財務、人事・総務、調達などのバックオフィス業務の効率化の一つとして、それらの業務を外部委託するBPO(Business Process Outsourcing)に注目していますが、長期間にわたるアウトソーシング契約を結ぶ相手として、どのようなベンダーを選定するかは非常に重要な問題となっています。
本稿では、BPO導入の初期検討時に直面するベンダー選定について、検討すべきポイントを考察します。

Ⅱ BPOの目的や効果の明確化

BPOを導入するに際して、当然のことながら、その目的や効果を明確にする必要があります。労働力不足を補てんするためなのか、単純にコスト削減を狙うのか、もしくはBPR(業務改革:Business Process Re-engineering)の一環としてベンダーのベストプラクティスやノウハウを活用するのかなど、自社が求めるBPOの目的や効果を明らかにし、その効果を最大化してもらえそうなベンダーを候補として挙げる必要があります。アウトソーシングのベンダーには人事業務が得意、オフショアリングによる人件費単価が安い、グローバルレベルでのBPO受託経験が豊富など、それぞれ得意領域があるため、それらの得意領域と自社のBPOの目的と効果の最大化の可能性がマッチするか否かを念頭に置く必要があります。

Ⅲ ベンダーの選定評価基準

複数の候補ベンダーが挙がったら、具体的な選定評価基準を設定します。ここでは、各ベンダーの横並び比較ができるよう、以下がポイントになります。

  • 基準の前提条件を合わせること
  • できる限り定量的かつ客観的なデータを取得すること

ベンダーの提示する見積情報(コスト情報)に加えて、ベンダーの提案書に関する一般的な選定評価基準は<表1>の通りです。

(下の図をクリックすると拡大します)

ベンダーから提案を受けたら、<表1>の評価基準にのっとって提案内容を評価し、どのベンダーがどの点で優れているのかを比較検討します。前提条件の相違や不足情報がある場合には、個別にベンダーに問い合わせ、追加の質問や情報の取得を行う必要があります。

Ⅳ おわりに

前述のベンダーから取得した提案書上の内容から評価を行うことと同時に、可能であれば、当該ベンダーを利用した/している企業からヒアリングを行うことでその実力を推察したり、ベンダーのセンターを訪問しクライアント向けにオペレーションを行っているリーダーや担当者とディスカッションやヒアリングの機会を設けて生の声を取得したりすることも、ベンダー選定を行う上で効果的です。


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