刊行物
情報センサー2020年7月号 Digital Audit

高解像度財務分析手法でどう見抜く?
グラフ形状から読み解く特徴(勘定科目編)

品質管理本部 アシュアランステクノロジー部
公認会計士 山本誠一
2008年、当法人入所。製造業、建設業、サービス業などの上場会社およびIPO関連業務の監査に従事。18年より仕訳の異常検知システム EY Helix GLADの開発・運用に従事し、Digital Auditの推進に取り組んでいる。

品質管理本部 アシュアランステクノロジー部
公認会計士 小島久人
2010年、当法人入所。製造業、農業などの上場会社および金融機関の監査に従事。19年より仕訳の異常検知システムEY Helix GLADの開発・運用に従事し、Digital Auditの推進に取り組んでいる。

Ⅰ はじめに

当法人で開発した仕訳の異常検知システムEY Helix General Ledger Anomaly Detector (GLAD)によるグラフ形状の特徴について紹介します。
分析の過程で頻繁に目を通すグラフがあります。勘定科目ごとに日次の仕訳計上額の推移を示すグラフです。日次の仕訳計上額を貸借別に折れ線グラフで示したもの<図1>、仕訳計上額の累積を面グラフで示したもの<図2>の二つがあります。


【設例:勘定科目Xの各四半期末の仕訳】


図1 日次発生額推移グラフ


図2 累積額推移グラフ

<図1>のグラフは、横軸が日付を表し、縦軸はその日における仕訳計上額を表します。また、縦軸のプラス方向は借方計上額を表し、マイナス方向は貸方計上額を表します。1日で複数回の仕訳が計上されている場合、計上額は貸借ごとの合計金額になります。
<図2>のグラフは、横軸が日付を表し、縦軸は各計上日における仕訳計上額(貸借純額)を累積させた額を表します。
これらのグラフを数多く見ていると、①会社の業種にかかわらず同じような形状のグラフとなる勘定科目が存在すること、②会社の業種によってグラフ形状に特徴のある勘定科目が存在することが分かってきました。
今号では、①会社の業種にかかわらず同じ形状のグラフとなる勘定科目の中から代表的なものを問題形式で紹介します。

Ⅱ 問題 ~勘定科目は何でしょうか?~

各問題は、ある勘定科目の日次発生額推移グラフおよび累積額推移グラフを示しています。そのグラフの形状から、勘定科目を推定してください。なお、グラフは一般的な状況を想定したダミーデータをもとに作成しており、採用している会計処理によっては異なる形状となります。


Question 1


Question 2


Question 3

Ⅲ おわりに

数値をビジュアル化しその形状を見ることで、さまざまな情報を得ることができます。数値の羅列を眺めていても得ることが難しいものです。
近年、コンピューター性能の向上により個人のPCでビックデータを扱えるようになってきました。これを活用し会計データをビジュアル化することで、今まで見えなかったものが見えてくるのではないでしょうか。