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「税務リスク管理」を移転価格の最優先事項と捉える企業は75%に上昇

2017.03.08
EY税理士法人
EY Japan

EY税理士法人(本社:東京都千代田区、統括代表社員 網野健司)は、EYが実施した、「2016年度移転価格動向調査シリーズ 1:透明性とリスクの時代」(以下:移転価格動向調査)の日本版を発表しました。

移転価格動向調査は、2016年4月から7月にかけて、世界36カ国の17の業界に属する多国籍企業から、移転価格に関与する経営幹部623名(内、77名の日本企業担当者)が回答しています。本年度の移転価格動向調査は4つのレポートで構成されており、引き続き、2. 経済協力開発機構(OECD)の「税源浸食と利益移転(BEPS)」プロジェクトの勧告に対する反応、3. 移転価格リスク管理の戦略、4. 移転価格の運用上の影響に焦点を当てたレポートを発表する予定です。

今回発表した最初のレポートでは、移転価格動向調査における全体的な要点について解説しています。OECDのBEPSプロジェクトの影響により、ビジネス活動の透明性がより要求されています。こうした要求に応えるために、「税務リスク管理」を最優先事項に特定している企業が増加していますが、本調査により、日本企業はグローバル企業と比較して、移転価格の運用に対して遅れを取っていることが明らかになりました。

主なハイライトは以下の通りです。

  • 「税務リスク管理」を移転価格の最優先事項と特定した企業は75%もあり、前回の2013年度調査の66%より9ポイントも上昇した。これは税務調査や二重課税の回避、また、税務調査が行われた場合に企業活動の正当性を証明できることを優先事項としている企業が急増したことを表している。
  • 事前確認制度(APA)や二国間APA(BAPA)などの事前申請制度の活用を今後拡大したいと回答した企業は65%でありながら、現在採用している企業は37%に留まっている。日本企業は本制度のプロセスに対する満足度がグローバル企業より高く、今後のAPA活用意向は76%と高い。
  • BEPS導入後、税務紛争の対応が困難になったと79%の企業が回答した。また、過去と今後における最も重要な税務係争の領域は「商品・サービスの移転価格」と回答している。
  • グローバル文書化プロセスのBEPS様式の対応に関しては、未対応と回答した日本企業が31%に対して、グローバル企業は16%と大きな差が明らかになった。

EY税理士法人移転価格部リーダーの須藤一郎パートナーは次のように述べています。

「世界各国はBEPS勧告の導入を進めており、税務の透明性が高まる大きな変革期を迎えています。税務当局や社会に対して企業が開示する情報が今まで以上に多くなり、それだけ税務調査のリスクが増えることになるでしょう。実際、移転価格モデルの設計・導入から調査の対象になるまでの期間は短縮化され、早期に係争が生じています。今後企業は、正確性に優れ、時間短縮の効果が高い報告システムと連携可能な支援ツールなどの導入の評価が必要になります。」

また、EY税理士法人移転価格部の佐藤佳子エグゼクティブディレクターは次のように述べています。

「日本企業は移転価格の対応をプロアクティブに進めることができていない状況です。移転価格の対応のために社内外のリソースを活用できていると回答した企業は23%に過ぎず、移転価格管理体制が充分整備されていないと認識していることを本調査で明らかになりました。今こそ、戦略的に移転価格管理体制を整えることが求められています。」

《 本件に関するお問い合わせ 》
EY税理士法人
ブランド、マーケティング アンド コミュニケーション部
Tel: 03 3506 2088