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EY調査:金融機関は次の10年間の主要なリスクにどのように取り組むか

2019.11.26
EY Japan
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社

EYは、「金融機関のリスク管理サーベイ(An endurance course: surviving and thriving through 10 major risks over the next decade)」の調査結果を発表しました。今回は10回目の調査で過去10年間のグローバルでのリスク管理の変化および今後10年間における主要なリスクの展望が明らかになっています。本調査は、国際金融協会(IIF)とともに実施し、 43の国と地域における115の金融機関が参加しています。

本調査によると、次の10年間のリスク管理は、下記の10の主要なリスク要因に対応が必要となる可能性があります。主要なリスクとは、財務リスクだけではなく、サイバーセキュリティリスク、地政学リスク、気候変動リスクなどの非財務リスクへと拡がりを見せています。

<10の主要なリスク要因>

  1. 来たる経済不況への対応
  2. 拡大するエコシステムにおける経営(サードパーティリスク管理など)
  3. 信頼維持のためのプライバシー保護
  4. 金融機関内やシステム全体でのサイバーリスクへの対応
  5. 業界のクラウドへの移行
  6. ビジネス全体におけるデータ分析の進展
  7. 顧客や市場に対する継続的なサービス提供
  8. 地政学リスクが金融機関やその顧客に与える影響
  9. 気候変動が金融機関や社会に与える影響
  10. 顧客のニーズの変化に応じたサービス提供

10年にわたる進展:

10年間にわたるサーベイを振り返ると、当初の金融機関の目的は資本と流動性に焦点を当てた財務リスク管理でした。ガバナンスと規制が改善されるにつれて、金融機関は金融危機以前よりも健全になり、その結果、バランスシートにおけるリスクの軽減、レバレッジの解消が進みました。この10年間の後半に、サイバーセキュリティ、データ、コンダクト及びカルチャーなどの非財務リスクが顕在化しています。

調査結果の主要ポイント:

  • プライバシーに関して、4分の1(23%)の金融機関が、今後12か月における最大のリスクと位置付け、2分の1(53%)が今後5年間において顕在化する主要なリスクと考えています。
  • 過半数(52%)の金融機関は、環境及び気候変動の問題を今後5年間において顕在化する主要なリスクと考えている。この数字は1年前の3分の1弱(37%)から増加しています。
  • 5分の4(79%)の金融機関は、リスク管理アプローチに気候変動リスクを取り入れている。多く(59%)は気候変動リスクを顕在化するリスクと想定しており、5分の2(41%)は既に関連ポリシーに取り入れています。
  • 5分の4の金融機関は、業界レベルのシステム全体に対する攻撃あるいは重大な出来事が今後5年間で発生する可能性が「高い」と考えている。また、3分の1近く(29%)がその可能性は「非常に高い」と考えています。
  • 一般的に、リスク担当者は、リスク管理機能(60%)とリスクカルチャー(58%)を業界全体のクラウドへの移行に適応させることが重要だと考えています。
  • リスク担当者、関係当局および政策立案者は、人工知能と機械学習技術の進展に伴うリスクに、強い関心を持っている。金融機関のリスク管理部門は、新たなリスクを捉えること(64%)やリスクを管理するための適切な人材を獲得すること(59%)において、既に課題に直面しています。また、これらのモデルが異なる市場環境下でどのように機能するかを示す過去データが存在しないこと(54%)や規制当局のスタンスの不確実性(47%)についても課題であると考えています。
  • 60%の金融機関は、地政学的リスクを今後5年間における主要なリスクと考えています。今後10年間で金融機関に影響を与える地政学的なリスクのトップは、サイバー戦争の可能性と米中関係(47%)です。

EY Japanの Financial Services Risk Management Leader和合谷興志雄は次のように述べています。

「2008年の金融危機以降、グローバルや日本の金融機関は資本と流動性を中心として財務リスクの強化を進めてきました。しかしながら、ITテクノロジーの進展やデータ分析の拡がりなどにより金融機関のオペレーションは急速に進化しており、サイバーリスクやサードパーティーリスク、AI・機械学習に係るリスクなど従来のリスク管理の枠組みでは十分に対応できない可能性があります。また、欧米の当局では、Operational Resilienceが中心的なテーマとなりつつあり、金融機関のガバナンスやオペレーティングモデルの強靭性を改めて見直すことが極めて重要になっています。」

レポート全体版(英語):

調査方法:

EYは、IIFと共同で、2019年6月から2019年9月にかけて、IIFメンバーおよび各地域の主要な金融機関に対してサーベイを実施した。最高リスク管理責任者またはその他の上級リスク管理者に対して、インタビューの実施、質問事項、またはその両方によりサーベイを行った。43の国と地域の94の金融機関(2018年の71の金融機関から増加)がサーベイに参加し、その内訳は、アジア・太平洋(21)、ヨーロッパ(26)、中東及びアフリカ(14)、ラテンアメリカ(10)、北米(23)である。これらのうち19は金融安定理事会で指定されているグローバルでシステム上重要な金融機関であり、49は各国において国内のシステム上重要な金融機関に指定されている。本レポートの定量データは、サーベイに回答した上位92の金融機関から集計したものである。また、記述部分は、定性的なインタビューを踏まえて作成されている。参加金融機関は、資産規模、所在地域、分類の面で非常に多様であった。このほか、21の金融機関が非公式に参加し、その回答は定性的に反映された。

※本プレスリリースは、2019年11月6日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

英語版プレスリリース:

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