EYのクライアントサービス担当グローバル・マネージング・パートナーのアンディ・ボールドウィンは次のように述べています。
「企業が進化を遂げることを迫られている現在、私たちは、クライアントが未来を再定義する後押しをするため、革新的で高品質なサービスとソリューションを提供することに注力しています。EYがFY21に行う大規模な投資は、究極的には、私たちのクライアントがこの複雑な環境において成功することを助け、高品質な監査の提供を通して資本市場にさらなる信頼をもたらすことにつながります。」
FY20において全てのサービスライン、エリア、主要業種、マーケットで成長を記録
FY20、EYの全サービスラインが成長を遂げました。成長率は前年比(現地通貨ベース)でそれぞれ、アシュアランスが3.1%、アドバイザリーが4.9%、Taxが5.1%、TASが2.8%となりました。また、EYの3つのエリア全てで売上が増加し、Americasが3.4%、EMEIA(欧州・中東・インドおよびアフリカ)が3.4%、Asia-Pacificが8.2%の成長を記録しました。
上位5位のマーケットの中でも日本が10.8%と二桁成長を記録し、中華圏も引き続き力強い成長を遂げました。そのほか、オーストラリア、ブラジル、韓国、ノルウェーが堅調な成長を見せました。新興市場も6%と、引き続き堅調な成長傾向を示しています。また、デジタルおよびテクノロジーを活用したサービスに対する需要に大きく牽引されて、テクノロジー、消費材、プライベートエクイティ、ウエルス&アセットマネージメントのセクターで、高成長が記録されました。
新型コロナウィルス感染拡大により政府や企業が影響を受けていた中で、EYはクライアントの事業継続やレジリエンスに必要不可欠なサービスを提供するために、迅速に対応しました。そうしたサービスには以下が含まれます。
- チリ政府のために、患者を緊急治療室に搬送する前にトリアージ(治療の優先順位付け)を行うデジタル式ツールの設定を支援
- 感染拡大の中、オーストラリアの政府機関が職員を速やかにリモートワークに切り替えるとともに新しいサービスを提供できるよう支援
- 60カ国以上の政府が個人用防護具(PPE)の輸出を停止した際、カナダ政府が国内の最前線のサービス機関にPPEを供給する支援
- 米国政府が発動した給与保護プログラムに関連して、ローン返済免除プラットフォームを構築し、銀行が「新型コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)」で定められた独自の要件を効率よく満たせるように支援
- かつてないほど資金需要が高まる中、多くのEYのクライアント銀行が融資を行い、急増する資金援助への要請に対応する支援
サービス:ラインへの投資と成長
- アシュアランス部門:デジタルテクノロジーとグローバル手法への継続的な投資により、EYの基盤であるアシュアランス部門は、FY20に3.1%の成長を記録しました。またEY はSustainable Audit Quality(SAQ)プログラムとデジタル監査テクノロジーの導入によって、企業に対する信頼度を高め、長期的な価値創造を支える高品質な監査の実施を継続的に推進しています。新たな監査契約には、大和ハウス工業社、Farmers 社、Insurance Group社、Jyske Bank社、Kone社、ネスレ社、イーストマン・コダック社が含まれています。「EY Digital Audit」では、FY20に5,820億件のクライアントデータの分析を行いました。これによりDigital Auditは、過去3年間で通算1兆件以上のデータ分析に活用されたことになります。
- アドバイザリー部門:FY20、アドバイザリーは、EYのソリューション、テクノロジー、そしてアライアンスのエコシステムを通して、企業がデジタルトランスフォーメーションのニーズを実現させるサポートに力を入れました。また、「テクノロジーコンサルティング」を新たに創設したことによって、クライアントの変革とレジリエンスにおけるニーズの実現をサポートすることができました。テクノロジーコンサルティングは、テクノロジー変革、データとアナリティクス、デジタルと新興テクノロジー、サイバーセキュリティに関するサービスとソリューションを提供しています。EYアドバイザリー部門は、ガートナー社、Forrester社、IDC社、ALM Inteligence社およびHFS リサーチ社から非常に名誉ある評価を受けました。
- Tax部門:税務のコソーシングやマネージドサービスに対する企業の高まる需要が、Tax部門のFY20の売上成長を促進しました。こうした需要に応えたのが、「EY税務・財務業務向けソリューション」、そして、ますますサービスメニューが増加しているEY Taxマネージドサービス(「法務マネージドサービス」など)でした。加えて、ファイナンシャル・タックス・プランニング、グローバル・コンプライアンス・アンド・レポーティング(GCR)、間接税および国際貿易に対する強い需要も見られました。Tax部門は、個人事業や投資ポートフォリオの変更に関連する複雑な税務申告をサポートする、初のD2C(消費者への直接販売)型税務サービス、TaxChatTMを開始しました。また、コロナ禍にある企業を支援するため、「オフィス再開と働き方の再定義(Physical Return and Work Reimagined)」フレームワークを紹介するとともに、マイクロソフト社、SAP社、トムソン・ロイター社、WorldAware社との提携を拡大しました。
- TAS部門: FY20、地政学的にもビジネス環境的にも厳しい状況にある中で、EYは、世界の上位10件のM&A案件のうち6件でアドバイスを提供するとともに、多くの政府、病院、ライフサイエンス企業および金融機関がコロナ危機に対応する支援を行いました。EYパルテノンは目覚ましい成長を遂げ、世界120カ国以上における総売上と人員数において世界第5位の戦略コンサルティング組織になりました。さらに、オーストラリアのPort Jackson Partners社の買収によって、この世界トップクラスの戦略コンサルティングサービスをより一層拡大させています。
優秀な人材が結集したEYのカルチャー
FY20を通してEYの人員数は5.3%増加し、全世界で29万8,965人に達しました。新型コロナウィルスによる混乱にもかかわらず、EYは長期的なコミットメントのもとインターンシップ制度を継続し、現在でも15,000人のインターン生のうち、半数が在宅勤務をしています。
FY20では、600人がパートナーに昇格し、パートナー職位昇格者の39%をアシュアランス、37%を新興国が占め、女性の割合も33%に上ったことから、引き続き重要施策を反映するものとなっています。重要施策分野における経験豊富な人材へのさらなる投資として、462名のパートナーが新たにメンバーファームに加わりました。EYの最高執行機関であるEYグローバルエグゼクティブでは女性が3分の1の比率を占め、新興国からの4名を含む9か国から18名のリーダーで構成されています。EYグローバルエグゼクティブは、ダイバーシティおよびインクルージョンへの継続的なコミットメントを示すために、「EYグローバルエグゼクティブ・ダイバーシティー&インクルージョンステートメント」に署名し、「グローバル・ソーシャル・エクイティ・タスクフォース」を設立しました。
EYは、人材を大切にする素晴らしいカルチャーを持つファームとして、権威ある企業ランキングに引き続き登場しています。EYはユニバーサム社の「世界で最も魅力的な企業」年次調査で昨年に続いて、プロフェッショナルファームの中で第1位に選出され、ビジネス部門全体でもGoogle社に次いで世界第2位としての地位を築いています。またEYは、フォーチュン誌が米国で発表している「働きがいのある会社」ランキング(100 Best Companies to Work For®)で史上最高となる21年連続ランクインするという記録を達成しました。
Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)
EYは、CR(企業としての責任)プログラムであるEY Ripplesを通じて、2030年までに10億人の人々の生活を向上させるという意欲的な目標をFY20に設定しました。今後、世界全体で100万人以上を動員して、社会的に影響力のある起業家と協働し、次世代を支援し、環境の持続的可能性を加速させていくことで、長期的な変化のうねりを引き起こしていきます。EY RipplesはFY20に1,550万人もの人々の生活向上に寄与し、プログラム開始から今日まで、その数は合計3,400万人以上に上っています。
EYはFY20に、地域社会の発展に貢献することを目指したプロジェクトに合計1億2,600万米ドルを投資し、EYメンバーがさまざまな施策や会計サービスの無償提供プロジェクトのために奉仕した時間は合計79万時間に上っています。EYメンバーはまた、新型コロナウイルスによる課題解決のサポートをするために、次のような多岐にわたる無報酬の活動やボランティア活動を通して、自らのスキルやナレッジを活用しました。
- EYチームは、南アフリカ政府が「連帯基金(Solidarity Fund)」を創設し、新型コロナウィルス感染症から国民の健康を守る対策に充てるため、企業から1億8,000万米ドル以上の資金を調達するのをサポートをしました。
- ブロックチェーンを利用したクラウドファンディングのキャンペーンを行い、イタリアの病院へ寄付するための10万ユーロを集めるのをサポートし、さらに中華圏において最前線で活躍する医療従事者にPPE(個人用保護具)を提供するため、EYメンバーから寄付を募るプラットフォームを立ち上げました。
- インドでは、国内の出稼ぎや日雇いの労働者、その家族に食料や教育の援助を行うため、支援金の寄付およびNGO団体との協働を行いました。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、EYは2020年末までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量の全てを排出削減・吸収量でオフセットする)を達成することを公約しました。また、EYとEYのクライアントが持続可能性の目標を達成できるよう支援する役割として、EYグローバル・バイス・チェア‐サステナビリティにスティーブ・バーリーを任命しました。EYはカーボンニュートラルの公約達成への道のりを順調に進んでおり、今後も引き続き次世代のために持続可能かつ包摂的な成長に向けて活動します。
EYは今回初めて、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の10の原則およびSDGsをEYの戦略、カルチャー、運営に取り入れている進捗状況を、Global Review 2020において公表しました。私たちは、長期的価値を創造することへのコミットメントの一環として、引き続きGlobal Reviewの中で幅広い財務指標および非財務指標に関する報告を行っていきます。