アドバイザリー
Financial Services Risk Management(FSRM)

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、金融規制改革(バーゼルⅢ)の最終化のための各国協議を完了

2017.12.13

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、2017年12月7日に、金融危機後に継続的に実施してきた金融規制改革(バーゼルⅢ)の最終化のための各国協議を完了し、第1の柱である信用リスク、オペレーショナル・リスク等に係る所要資本ルール等を含む最終規則を公表した。

今回の最終規則においては、以下のような主な事項が含まれている。

  • 信用リスクに係る標準的手法(SA)フレームワークの見直し
  • 信用リスクに係る内部格付手法(IRB)フレームワークの見直し: 低デフォルト率ポートフォリオ(LDP)に対する先進的内部格付手法(A-IRB)の制限等
  • 信用評価調整(CVA)に係るフレームワークの見直し: 内部モデル手法の廃止および改定された標準的手法の導入
  • オペレーショナル・リスクに係るフレームワークの見直し: 現在の標準的手法(BIA・TSA等)および先進的計測手法(AMA)の廃止、および改定された標準的手法(SMA)の導入
  • 資本アウトプット・フロアの導入: 内部モデル手法に基づくリスクアセット額に対して、標準的手法に基づくリスクアセットの72.5%相当額をフロアとして設定。同時に、標準的手法に基づくリスクアセットの開示
  • G-SIBsを対象に適用されるレバレッジ比率の算定方法の見直しおよびレバレッジ比率バッファーの導入: 自己資本比率におけるG-SIBsに対する資本バッファーの50%の水準を、レバレッジ比率におけるG-SIBs資本バッファーとして設定

上記の改正は2022年1月1日適用とされ、5年間にわたる経過措置(フェーズイン期間)が設定されている。

なお、上記改正に加えて、BCBSは、マーケットリスクに係る最低所要資本の改定についても、当初設定されていた2019年適用開始時期を2022年1月1日に延期され、また標準的手法および内部モデル手法に係るカリブレーションの見直しも含めて検討を継続することとしている。

適用日および経過措置

改正事項適用日(経過措置)
信用リスクに係る標準的手法(SA)2022年1月1日
信用リスクにおける内部格付手法(IRB)
信用評価調整(CVA)
オペレーショナル・リスク
マーケットリスク(FRTB) 2022年1月1日(適用延期)
アウトプット・フロア導入
  • 2022年1月1日: 50%
  • 2023年1月1日: 55%
  • 2024年1月1日: 60%
  • 2025年1月1日: 65%
  • 2026年1月1日: 70%
  • 2027年1月1日: 72.5%
レバレッジ比率
  • 現状のエクスポージャー定義: 2018年1月1日
  • 改正後のエクスポージャー定義: 2022年1月1日
  • G-SIBバッファー: 2022年1月1日

また、BCBSは同日に、ソブリンに対するエクスポージャーの取扱いに関するディスカッション・ペーパーも公表している。その中で、現時点におけるソブリンリスクの取扱いに関する検討を完了し現行維持と結論付ける一方で、あくまで将来的にではあるが検討される選択肢として、ソブリン・エクスポージャーに対する内部格付手法の適用廃止、標準的手法における(ゼロでない)リスクウェイトの設定、Tier1資本を超過するソブリン・エクスポージャーに対する追加的な(アドオン)リスクウェイトの適用等が記載されている。

Basel Ⅲ - Finalising post-crisis reforms (d424)
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