アドバイザリー
Financial Services Risk Management(FSRM)

FATFオンサイト審査に備えた金融機関等の対策

2019.04.02

「FATF*第4次相互審査においてオンサイト審査の対象として選定される可能性のある金融機関等の対策とは?」

本邦金融機関のAML/CFT**態勢については、2018年2月に金融庁が公表したAML/CFTガイドライン***をベースとして、引き続き、国際水準を目指した改善・高度化の取組みが継続されているところです。 今秋に予定されているFATFによるオンサイト審査(金融機関等:11月上旬)の対象となる金融機関等には、これまでの取組みの成果を、いわば我が国を代表してFATF審査団に示すことが求められます。 本稿では、FATF第4次相互審査の概要と進捗について概観するとともに、オンサイト審査を見据えたEYのサービスメニューについてご紹介します。

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* FATF: Financial Action Task Force(金融活動作業部会)
** AML/CFT: anti-money laundering and combating the financing of terrorism (マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)
*** AML/CFTガイドライン:「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(2018年2月公表)

FATF第4次相互審査の概要、進捗など

前回(第3次)の結果のふり返り

2008年に実施された前回の対日審査においては、我が国のAML/CFTの脆弱性が露呈しました。

(下図をクリックすると拡大します。)

FATF第4次相互審査の手法(FATF Methodologyより)

新「40の勧告」(2012年採択)に基づく第4次相互審査の手法は次のとおりです。Technical ComplianceとEffectivenessの評定結果が一定水準を下回ると、強化されたフォローアップ(enhanced follow-up)の対象となります。

(下図をクリックすると拡大します。)

有効性評価は、11項目から成る直接的効果(Immediate Outcome: IO)について行われます。

  • 金融機関に直接関係するIO4は以下のとおり。
    「IO4: 金融機関等が、リスクに見合ったAML/CFTの予防措置を適切に実施し、不審な取引の報告を実施」
(下図をクリックすると拡大します。)
  • 有効性評価は、下表の16の考慮要素を加味して行われます。
(下図をクリックすると拡大します。)
  • 下表は、既に公表済みの第4次審査結果のうち、主要国をまとめたものです(2018年12月7日更新)。
(下図をクリックすると拡大します。)

EYのサービスメニュー

FATFオンサイト審査に備えた対策として、EYでは、4つのサービスメニューを用意しています。

4つのサービスメニュー 図表

①金融機関等の概要のレビュー

FATFオンサイトの対象となった金融機関等は、あらかじめ自金融機関等の概要説明資料(5~10ページ程度)を作成し、FATF事務局に提出する必要があります。

  • 自金融機関等のHP等で公表しているような一般情報に加え、地理的な特性や業務の特徴などを説明する資料が必要です。

自金融機関等のAML/CFT態勢の有効性を示す際の前提情報として、必要にして十分な情報を選別するためには、AML/CFT分野のエキスパートによる第三者レビューが有効です。

  • EYには、AML/CFTを含む金融規制領域において長年にわたり幅広く助言サービスを提供し、本邦当局やFATF審査団が重視する点を熟知するエキスパートが在籍しています。

②想定問答集の作成(質問集の作成と回答案のレビュー)

FATFのオンサイト審査においては、金融機関等に対し、多数の質問が行われます。

  • 16個の有効性評価要素について、各5~10問程度。
  • ある国でFATFのオンサイト審査を受けた金融機関は、1時間で80問の質問を受けたとの情報も。

金融機関等が自金融機関等のAML/CFT態勢の有効性を示すためには、FATF審査団からの質問に対して適切に回答する必要があり、そのためには想定問答による準備が有効です。

  • EYが作成する100問程度の質問集(テンプレート)に書面の回答案をご作成いただいた後、EYがレビューします。
  • FATFが公表している「メソドロジー」や審査終了国の「レポート」に関する詳細分析のほか、EYの海外オフィスを通じて収集するFATFオンサイトを受けた海外金融機関等の情報を活用します。

③模擬面談の実施(想定問答集を踏まえて)

FATF審査団によるオンサイト時の面談においては、わずかな時間で、多数の質問に対して、的確な回答を行う必要があります。

金融機関等が自金融機関等のAML/CFT態勢の有効性を示すためには、FATF審査団からの質問に対して円滑・迅速に回答する必要があり、そのためには本番さながらの模擬面談による準備が有効です。

  • 模擬面談は、AML/CFT分野の検査を含む国際金融業務に長年従事した当局出身者が担当します。
  • 会場は、本番の審査を見据え、EY会議室(東京都千代田区)で実施することも可能です。

④内部資料の英訳(必要に応じて)

FATF審査団に提出する金融機関等の概要、規程類、各種会議体の議事録、その他の内部資料は、通訳や審査団からの要請により英訳が必要となる場合があります。

限られた期間で、一定のクオリティの英訳資料を準備するためには、専門性のある人材の集中的な投入が必要となります。

  • EYには、AML/CFT分野において、本邦メガバンクのグローバル・プロジェクトのほか、外国金融機関のプロジェクトを数多く手がけ、専門的な知見を有するスタッフが在籍しています。

お問い合わせ

  • 和家 泰彦:Yasuhiko.Wake@jp.ey.com 
  • 鹿島 浩司:Koji.Kashima@jp.ey.com