アドバイザリー

契約リスク管理サービス

昨今、企業を取り巻く経済のグローバル化、高度化に伴い、ビジネスを戦略的に発展させていくためには外部企業との連携強化が欠かせないものとなっています。多くの企業にとって、外部企業との契約件数は増加し、また契約自体も、法律面や専門性の面からますます複雑になってきています。その結果、契約に潜むリスクは増大し、企業にとって大きな脅威となりつつあります。特に、海外企業が取引先の場合の契約リスクは、急速に高まっているといえるでしょう。
契約に関するリスクを回避するためには、契約リスクの適切な管理、とりわけ契約当事者間の透明性の確保が不可欠ですが、これまで日本企業の多くは契約先との信頼関係に頼っていました。しかし、激変する昨今の経済情勢においては、経営者は契約上の義務に対する履行状況を適切に管理することが強く求められています。
契約リスクを適切に認識し管理できる体制を構築し、継続的に維持することで、契約からもたらされる収益の最大化やコストの削減を実現できます。以下に挙げた項目は、現状の管理体制を評価する上での検討すべき項目例です。

  • 貴社が契約している契約件数を把握していますか? また、ライセンス関係、ロイヤルティ関係、流通関係、仕入先関係、代理店など、契約タイプ別の数を把握していますか?
  • これらの契約から得られる収入や支払われる費用を把握していますか?
    その中で、金額的に重要性のあると考えられる契約はいくつありますか?
  • リスク評価を実施する際には、契約リスクについても契約の監査計画立案の際の検討課題に入れていますか?
  • 自社が抱えるさまざまな契約について、複雑さやリスクの観点から分類していますか?
    またその分類に合わせてレビュープロセスをカスタマイズしていますか?
  • 契約上、合意された事項が契約条件に従って履行されているか、どの部署がモニタリングしていますか?
  • 契約で合意された事項が正しく履行されているか、確証を持てますか?
  • 契約条件への違反や不履行が明らかになった場合、どのように対処していますか?
  • 契約履行段階に関する報告(進捗報告)をタイムリーに入手していますか?
    その報告(書)の元となる情報をどこから入手していますか?
  • 既に契約の監査を実施している場合、その監査上の発見事項に合わせてプロセスの改善を実施していますか?
  • 統制が存在していることを確認していますか? また、その統制が最大に生かされていることを確認していますか?
サービスの枠組み

契約リスク管理サービスは、会社に代わって契約に関連するリスクを評価し、契約(取引)先における契約の履行状況に関するレビューサービスです。
サービスの提供に当たっては、通常、企業に存在するすべての契約書を対象に、金額の大小だけではなくリスクなどの観点から幅広い視点でレビューし、対象となる契約を決定したうえで、契約の履行状況に関するレビューします。

(サービスの流れ)

サービスの流れ

(契約リスク管理サービスの対象となる契約のタイプ例)

契約リスク管理サービスの対象となる契約のタイプ例
主なサービスメニュー
  • ライセンス/ロイヤルティ契約
    重要な技術関連特許や、ソフトウェア、キャラクターなどに関連するロイヤルティが重要な収入となっている場合、ライセンス使用を認めた相手が支払うロイヤルティの算定が契約に準拠して適切に算定され、支払われていること、また適切なロイヤルティ報告を妨げ得る事象(契約書の不備、社内の管理体制の不備など)がないことを、契約先のレビューにより確認します。
    サービス例: エンターテイメントA社では、数多くのキャラクターによるライセンス収入が、企業収益の大きな柱となっています。当サービスの実施により、私たちのデータ解析ツールを利用した結果、同社では取引先から約5百万ドルの追加売上を洗い出しました。また、取引先で契約の締結が認められない顧客や地域でのライセンス契約を発見することができ、不正リスクを引き起こす原因となった統制上の不備を改善しました。
  • ディストリビューター/サプライヤー契約
    ディストリビューターやサプライヤーとの契約において、リベート、特別値引き、在庫管理、返品などが契約条件を遵守した形で実施されているかについて、レビューを実施します。これにより、リベートなどの過払いを特定したり、報告されていない売上の発見により、追加で収入を得たり、支払いを減額することが可能となります。
    サービス例: 大手製薬会社B社では、取引先の卸売業者40社に対して、代理店契約や販売条件の遵守状況の検証を行いました。レビューの結果、未承認の調達先からの数百万ドルにのぼる不正な調達や、偽造が疑わしい製品を紛れ込ませるための手法など、サプライチェーンの欠陥が発見されました。
  • 広告代理店契約
    広告代理店やメディアなどとの広告契約において、広告費用の効果が適切であることを確認するため、広告代理店などから報告される収支内容について、広告の実績、実働時間数、間接費、収支計算などのレビューを実施します。また、広告費用の関連プロセスについて、媒体出稿に関する承認、メディアへの支払い、クライアントへの請求、財務体制などに関する統制のレビューを行います。
    サービス例:消費財メーカーC社の依頼により、取引先である広告代理店に対し、広告契約とその関連プロセスについてレビューを行いました。この結果、広告代理店の報告した収支には、実働時間や間接費の過大請求や不適切な償却・修正が含まれていることが発見され、費用の過大請求が745千ドルに達しているほか、実際には放送されなかったスポットに関する584千ドルもの架空請求があることが判明しました。
  • ジョイントベンチャー(業務提携または同様の関係を含む)契約
    ジョイントベンチャー契約について、金銭面および業務面の契約条件レビュー、過去の実績との比較によるコンプライアンスの確認などを実施します。また、発見事項に関連し、起こり得る係争または交渉における支援を行います。
  • その他のアウトソーシング契約
    その他のアウトソーシング契約について、契約違反により課されるペナルティーや契約条項の複雑性を評価し、取引先が提供しているサービスや製品の販売が契約条項で定義されている範囲内か否かをレビューします。
  • 海外との契約
    商習慣が異なる非日系企業との契約に不安を感じる企業も少なくないと思います。私たちはEYのグローバル・ネットワークを有効活用し、取引先が契約を適切に履行しているか否かを会社に代わってレビューします。
EY活用のメリット
  1. 独立性(中立性)・・・ 取引先との守秘義務を結ぶことにより、私たちが中立的な立場から、契約(取引)先の契約履行状況をレビューすることが可能となります。(例:会社が直接実施する場合と比較し、競合他社の情報などを含む、より幅広いデータへのアクセスが可能になるため、より確実なデータに基づくレビューが実施可能)
  2. 専門性 ・・・・・・・・・ 契約のレビューにおいては、複雑かつ膨大なデータの分析が必要となります。私たちは、会計・税務に関する高い専門性をもとに、取引条件が及ぼし得る影響を適切にレビューすることができます。
  3. 海外ネットワーク・・・ EYのグローバル・ネットワークを活用して、海外での数多くの契約管理に関するサービス提供の実績に基づく豊富な経験とノウハウを有しています。