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日本の動向

予想信用損失会計 - BCBSガイダンスとIFRS第9号 日本における適用について

2015.06.01
大樂 弘幸
大樂 弘幸(Hiroyuki Dairaku)
新日本有限責任監査法人
金融部 シニアマネージャー
日米公認会計士・CFA協会認定証券アナリスト
金融機関および事業会社の財務諸表および内部統制監査に従事。東証一部上場企業の経理・財務部にも所属した経験を持つ。また、2012年7月から2014年9月まで、金融庁総務企画局企業開示課へ出向し、2014年10月より新日本に復帰。当局や財務諸表作成者の経験を生かし、IFRSアドバイザリー業務も担当。JICPA銀行業資産査定対応検討専門部会専門委員。

概要

  • バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、IFRS第9号の予想信用損失に基づく減損会計の公表を受けて、2015年2月に市中協議文書「予想信用損失会計に関するガイダンス」を公表しました(コメント期限は4月30日)。
  • 当ガイダンス案では、信用リスク管理実務を従前の発生損失モデルから予想信用損失モデルへ修正しました。
  • 当ガイダンス案のAppendixでは、BCBSが銀行に期待するIFRS第9号の解釈を示しています。IFRS第9号が認める実務上の簡便法の使用を一定の銀行に対して制限する内容は、IFRS導入の際に注意が必要です。

11原則

  • 従来、会計の基礎となってきた発生損失モデルが、国や地域または銀行によって著しい相違があるままに導入されたことを踏まえ、予想信用損失(ECL)に基づく会計基準の高品質で厳格な一貫性のある導入を目的としています。
  • 予想信用損失会計モデル導入および適用に関連する、健全な信用リスク管理実務への監督上の要求事項を提案しています。原則1~8では銀行が遵守すべき監督上の要求事項、原則9~11では監督当局への要求事項を定めています。

Appendix

  • 一定の銀行に対して、IFRS第9号を適用する上で次の3つの主要分野、
    a)12カ月の予想信用損失に等しい金額の損失引当金
    b)信用リスクの著しい増大の評価
    c)実務上の簡便法の使用
    について追加的な監督上の要求事項を定めています。
  • 簡便法の使用では、①過大なコストまたは労力を要しない範囲での情報の利用、②低い信用リスクに関する仮定、③30日期日経過に関する仮定については、ECLの低品質な運用につながるとして、国際的に活動する銀行、洗練された貸出ビジネスを行う銀行については、適用すべきでないと定めています。

所見

  • 当ガイダンス案の影響を正確にはかる上で、当ガイダンス案がどのように日本国内において適用されるのか、当局の今後の方向性に注意が必要です。
  • 当ガイダンス案の日本における適用を踏まえて、IFRSを採用する場合や日本基準上の影響を分析し、その対応を慎重に検討することがポイントとなります。

【本件に関するお問い合わせ先】

大樂 弘幸 (Hiroyuki Dairaku)
新日本有限責任監査法人
金融部 シニアマネージャー
E-mail: raat@jp.ey.com




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