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IFRS Developments

リース会計-IASBとFASBが主要論点を再検討

2013.11.26
重要ポイント
  • IASBとFASBは、2013年5月に公表した公開草案「リース」に関して受領したコメントをもとに議論を行い、公開草案における主要論点について再検討する方向となった。
  • ほぼすべてのリースに対して、借手は資産及び負債をオンバランスすべきとする提案について、コメント提供者は概ね支持しているものの、基準の適用に際して多額のコストや手間がかかるというコメントも多く寄せられた。さらに、表示及び開示に関する提案が、現行基準よりもより良い情報を財務諸表利用者に提供できるのか懐疑的であるというコメントもあった。
  • コメント提供者は、定義及び適用範囲、借手及び貸手の会計処理、リースの分類、測定の見直し及び開示の提案についても、実務上及び概念上の問題として留意すべき事項を表明した。

概要

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)(以下、両審議会)は、リース会計に大きな変化をもたらす提案を行った公開草案「リース」(2013年5月公表)に関して、受領したコメントをもとに議論を行い、公開草案の主要論点について再検討する方向となった1。提案では、ほぼすべてのリースに対して、借手に資産及び負債をオンバランスさせることを要求するなど、多くの点で現行基準からの変更が生じる。貸手の会計処理も現行基準から変更されることとなる。

両審議会は、世界中の財務諸表作成者、財務諸表利用者及びその他の関係者から630以上のコメントを受領した2。これほどの数のコメントが寄せられたというのは、本プロジェクトに対する関心の高さをうかがわせるものである。両審議会はまた、250以上の投資家及びアナリストと50回以上のミーティングを行い、さらに個々の財務諸表作成者との25回以上の会議、各国の基準設定機関や規制当局、財務諸表作成者団体との8回のラウンドテーブル及び追加ミーティングによってもコメントを収集した。3

両審議会は再検討によって、基準の適用に際し、財務諸表利用者にもたらす便益とともに作成者にかかるコストや手間についても検証する予定である。

再検討の対象となる主要論点

両審議会は、以下の論点においてコメント提供者がもつ懸念事項を把握し、再検討によって提案を簡素化する方法を検証する旨を示唆した。

  • 定義及び適用範囲-財務諸表作成者及び利用者の多くは、たとえば、(顧客が)資産の使用を指図する能力や、(供給者が)資産を入れ替える実質的な権利といった点について、追加的なガイダンスや設例が提供されるべきとのコメントを寄せた。また財務諸表作成者は、新基準の適用、特に印刷機器のような種類のリースを非常に多く扱っている場合に要するコストについて、大きな懸念を表明した。両審議会はリースの定義及び適用範囲の再検討を示唆した。
  • 借手の会計処理-コメント提供者は、ほぼすべてのリースに対して借手が資産及び負債をオンバランスすべきとする提案について、概ね支持している。ただ、タイプAとタイプBの分類及び各タイプの測定を含む、提案された借手の会計処理のコストや手間に関して、多くのコメント提供者が懸念を示していることも両審議会は把握している。
  • 貸手の会計処理-財務諸表利用者を含む多くのコメント提供者は、現行の貸手の会計処理を大きく変更させる提案を支持していないようである。両審議会は、貸手の会計処理が借手と対称的(シンメトリー)にすべきかを検討する旨を示唆した。
  • リースの分類-コメント提供者からは、2パターン(タイプAとタイプB)の分類方法につき、煩雑なうえ恣意性が介入するのではないかというコメントが寄せられた。また、費消パターンのみに基づく分類や現行のIAS第17号と同様の分類など、代替案に関するコメントも寄せられた。両審議会は、提案の簡素化を検討することを示唆し、2パターンの分類方法が提案を複雑にさせてしまっていると説明した。
  • 測定の見直し-リース期間の再評価及び指数又は率に基づく変動リース料の再評価など、測定の見直しに関する提案について、財務諸表作成者及び利用者が、コストや手間が増大するのではないかと指摘している点を、両審議会は把握している。両審議会は、コストや手間を削減する方法を検討する旨を示唆した。
  • 開示-公開草案の開示に関する提案に関して、財務諸表利用者からは概ね支持があった一方で、作成者側からは「開示項目が過重で過度に複雑だ」というコメントが多く寄せられた。表示および開示の提案についても再検討されることになるであろう。

上記以外にも、リース期間の検討、リースと非リース要素の区別、セール・アンド・リースバック、企業結合で取得したリースの会計処理、経過措置、発効日、他のIFRSの修正などの点でもコメント提供者から問題提起がなされた。

次のステップ

両審議会は、公開草案「リース」における主要論点の再検討を行う方向である。最終基準の発効日に関してはまだ議論されていない。

弊社のコメント

両審議会は、コメント提供者から寄せられたコメントを慎重に考慮しようとしているように見受けられる。したがって、再検討は2014年においても続くと思われる。

  1. 公開草案(2013/6)「リース」参照、IASBのウェブサイトで入手可能
  2. 公開草案(2013/6)「リース」のコメントレターに関してはFASBウェブサイト参照
  3. IASB/FASB 2013年11月共同審議会-アジェンダ・ペーパー3A公開草案(2013/6)へのフィードバックの要約


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