アシュアランス
IFRS Developments

IFRSの年次改善の提案(2012-2014年サイクル)

2013.12.20
重要ポイント
  • IASBは2013年12月11日、公開草案「IFRSの年次改善2012-2014年サイクル」を公表した。
  • 改訂案には、この改訂の結果として他の基準に生じる改訂を除くと、4つの基準書(IFRS第5号、IFRS第7号、IAS第19号及びIAS第34号)に対する5つの改訂が盛り込まれている。
  • 改訂案の発効日は2016年1月1日である。
  • コメントの期限は2014年3月13日である。

概要

国際会計基準審議会(IASB)は2013年12月11日、公開草案「IFRSの年次改善2012-2014年サイクル」を公表した。この公開草案では4つの基準書(IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」、IFRS第7号「金融商品:開示」、IAS第19号「従業員給付」及びIAS第34号「期中財務報告」)に対する5つの改訂が取り上げられている。改訂案は2016年1月1日から効力を発生し、将来に向けて適用されるものと、遡及適用されるものがあるが、早期適用は認められる。各改訂案と経過規定の要点は以下の表のとおりである。

コメント募集期限は2014年3月13日である。

弊社のコメント

年次改善プロセスは、現行のIFRSが不明瞭な場合にIASBが行う、限定的で緊急性を伴わない改訂プロセスである。これらの改訂案は実務の大幅な変更を意図していないものの、各企業は会計方針を見直し、その潜在的な影響を検証する必要がある。

改訂案

基準 改訂案 要点 経過規定
IFRS第5号 処分方法の
変更
改訂案により、企業が資産(又は処分グループ)を売却目的保有から分配目的保有に間断なく再分類する場合でも、引き続き売却目的保有として会計処理することとなる。同様に、企業が資産(又は処分グループ)を分配目的保有から間断なく売却目的保有に再分類する場合にも、引き続き分配目的保有として会計処理される。また、企業が資産(又は処分グループ)を分配目的保有に分類することを中止した場合にも第27項から第29項が適用されるように、同項も改訂されている。 改訂案は将来に向かって適用される。
IFRS第7号 サービシング
契約
改訂案は、譲渡の開示規定(IFRS第7号第42E項から第42H項)の目的上、サービシング契約が継続的関与に該当するかどうかについて、以下を通じて明確化している。
  • IFRS第7号の適用指針における継続的関与に関する説明を充実させる
  • IFRS第7号のB30項に使用される「支払」という用語には、企業が譲渡した金融資産から回収して譲受人に送金しなければならないキャッシュ・フローを含めないことを明確化する
  • 初度適用企業に関しては、表示される比較対象期間に本改訂を適用しないことを認める移行時の免除規定を、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の付録Eに付け加える
改訂案は遡及適用される。企業は本改訂を最初に適用する年度より前の比較期間に本改訂を適用する必要はない。
IFRS第7号 IFRS第7号の修正の要約期中財務諸表への適用可能性 IASBがIFRS第7号の修正「開示-金融資産と金融負債の相殺」(相殺に関する改訂)を公表した際、「期中報告期間」に関しても開示が求められていたが、IAS第34号はそうした開示を求めていなかった。IASBの改訂案では、IFRS第7号の「期中報告期間」という用語を削除し、相殺に関する改訂で要求される追加の開示は要約期中財務諸表には求められないことを明確化する。ただしIAS第34号により、そうした開示が求められる(すなわち事象や取引が、直近の年次報告期間の末日以降の企業の財政状態の変動及び経営成績を理解するうえで重要となる)場合はその限りではない。 改訂案は遡及適用される。
IAS第19号 割引率(地域市場の論点) 改訂案により、従業員給付の会計処理に用いられる割引率を決定する際、他の国で事業を行っている企業が発行する優良社債も(給付が支払われる通貨で当該社債が発行されている場合)含めることが明確化される。これにより、優良社債の市場の厚みは、国レベルではなく通貨レベル(たとえばユーロ)で評価されることとなる。 改訂案は遡及適用される。
IAS第34号 「期中財務報告書の他の部分」における情報の開示 改訂案により、「期中財務報告書の他の部分」(たとえば経営者報告書)での情報開示の意義が明確化される。「期中財務報告書の他の部分」で必要な開示が行われる場合、期中財務諸表から当該情報の開示箇所への相互参照を付す必要がある。その結果、IAS第34号の結論の根拠においても、「期中財務報告書の他の部分」における情報の開示により、期中財務報告書の一部を織り込むように財務諸表の範囲が拡大されることが明らかにされている。 改訂案は遡及適用される。

弊社のコメント

この改訂案により、これら4基準に関して現行基準では不明瞭であった点が明確になり、作成者がこれらの基準を適用する際の一貫性を向上させることができると考える。

次のステップ

EDのコメント募集期限は2014年3月13日である。すべての利害関係者がコメント・レターを通じてIASBに意見提供することが推奨される。そのようなフィードバックが、IASBでのこれらの論点に関する包括的で厳正な議論に寄与することとなろう。



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