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両審議会がリースの定義に関する再審議を完了

2015.01.07
重要ポイント
  • 両審議会は、リースの定義の提案に関して、規定の追加を行わないことを決定した。
  • 今回の決定により両審議会はリースの定義の再審議を完了し、定義の実務への適用方法に関して事前に意見が一致していた決定事項は残されることになった。
  • リースの会計基準が2015年7月より前に公表されることはないと予想される。

概要

国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)(以下、両審議会)は、リースの定義の提案に関して、規定の追加を行わないことを決定した。借手に対してほぼすべてのリースをオンバランスすることを求める2013年の公開草案1の再審議において、両審議会の意見が一致していた決定事項は残されることになった。

今回の決定により両審議会は、リースの定義及び定義の実務への適用方法に関する再審議を終了した。今回の決定も従来までと同様に暫定的なものである。

リースの定義

両審議会は2014年10月の審議会において、リースとは「資産を使用する権利(原資産)を一定期間にわたり、対価と交換に移転する権利」と定義されること、及び以下の2点を検討することにより、契約にリースが含まれるか否かを決定することを再確認していた。

  • (1)識別された資産の使用が明示的、又は暗黙のうちに特定されているか。
  • (2)契約により識別された資産の使用を支配する権利が、使用期間全体にわたって顧客に移転するか。

契約を履行するために使用する資産を取り替える「実質的な権利」を供給業者が有している場合には、契約にはリース契約が含まれていないことになる。供給業者が資産を取り替える「実際の能力」を有しており、その権利の行使により生じる便益を享受できる場合には、取り替える権利は「実質的」とされる。

使用期間全体にわたり、識別された資産の使用を支配する権利を顧客が有している(すなわち、資産の使用方法や目的を変更する権利を含めて、資産の使用方法や目的を指図する権利を有する)、及び識別された資産の使用を指図することから生じる経済的便益の実質的にすべてを顧客が享受する場合には、契約は識別された資産の使用を支配する権利を移転することになる。

仮に顧客と供給業者の両者が資産の使用方法や目的を使用期間全体にわたり支配していないのであれば、以下の状況のいずれかを満たすことにより、顧客が識別された資産の使用を指図する権利を有していることになる。

  • 顧客が、(稼働に関する指図を変更する権利を持たない供給業者と共に)自身が定める方法で資産を稼働する、又は他者に資産を稼働するように指図する権利を有している。
  • 顧客は、資産の使用方法や目的、又は稼働方法が事前に決定されるように、資産を設計、又は設計依頼していた。

供給業者の「防衛的な権利」は、それ単独では顧客が識別された資産の使用を指図する権利を有することを妨げるものではない。「防衛的な権利」は、供給業者の権利(例えば、資産の持分、従業員、法令遵守)を保護することを意図しており、資産の最大使用量に関する制限や、特定の稼働方法への準拠を求める条項などが考えられる。

両審議会は2014年12月の会議で、「契約にリースが含まれるためには、顧客が識別された資産単独、又は個別に売却されている、又は合理的な期間内に利用できる他の資源(例:財又はサービス)と合わせての使用を指図することから生じる便益を得る能力を有していなければならない。」というような、さらなる要件を付け加えないことを決定した。両審議会の一部のメンバーは、「このような要件を追加することは、提案されている定義の適用を複雑にするものであり、コストが便益を上回ることになる。」と述べ、また、「要件を追加することにより、リースに該当するか否かに関する結論が変わるような契約を、両審議会のスタッフは識別できていない。」と指摘した。

弊社のコメント

両審議会はリースの定義の再審議を完了したが、これにより、特定の取決めに対して定義がどのように適用されるかに関する問題がすべて解決した訳ではない。例えば、重要なサービスを含む契約に関して、契約により識別された資産の使用を支配する権利が移転するか否かを決定するには判断が求められる。

次のステップ

両審議会は最終基準が公表されるまでに、借手の開示、経過規定及び発効日等、残された論点に関する再審議を行うことになる。リースの最終基準が2015年7月より前に公表されることはないであろう。




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