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IFRS Developments

IASBスタッフが新たなリース基準の起草に着手

2015.03.25
重要ポイント
  • IASBは、新たなリース基準の草案の作成を開始するように、スタッフに指示した。
  • IASBは、新たなリース基準の適用初年度において、借手に追加の開示を求めることも決定した。
  • リースの会計処理に関する新たな基準は、2015年後半に公表される予定である。

概要

国際会計基準審議会(IASB)は2015年3月の会議で、借手が大半のリースをオンバランス化するという2013年の公開草案1の再審議を完了した。

IASBは、新たなリース基準を公表するために必要なデュープロセス手続が完了していることを確認し、新たなリース基準の最終化のための投票に向けた準備を進めるよう、スタッフに指示した。また、新たな基準の草案を再公開する必要はないことも確認した。

IASBは、新たな基準の適用による財務諸表への影響について、借手に追加の開示を求めることを決定した。これらの決定は、従来までと同様に暫定的なものであるが、IASBは、同基準において当該決定を明確にすると考えられる。

新たな基準の発効日については、今後、審議される。IASB及び米国財務会計基準審議会(FASB)(以下、両審議会)は、プロジェクトのほとんどの部分について共同で審議を行ってきた。FASBは2015年2月、新たな基準の草案の作成を開始するようにスタッフに指示している。両審議会は2015年後半に、それぞれ別個に新たなリース基準を公表する予定である。

1. IASBのウェブサイトに掲載されている公開草案「リース」を参照されたい。

デュープロセスの確認

IASBは、新たなリース基準の草案の作成に必要なすべてのデュープロセス手続2が完了していることを確認した。

リース・プロジェクトは、2006年に両審議会のアジェンダに追加されたFASBとの共同プロジェクトである。2009年に共同でディスカッション・ペーパー3を公表し、コメントを募集した後、2010年に共同で公開草案(ED)4を公表した。EDの再審議を経て、両審議会は、2013年に再公開草案5(2013年ED)を公表し、2014年から2015年にかけて審議を行ってきた。

必須のデュープロセス手続は以下の通りであり、当該リース・プロジェクトに関しては既に完了している。

  • 1回以上の公開会議における提案内容の討議
  • 新たな基準の草案に関するパブリック・コメントの募集(コメント募集期間は最低120日間)
  • 提案に対して寄せられたコメント・レターの適時な検討
  • 提案を再度公表すべきかの検討
  • 主要なプロジェクトの諮問会議への報告

以下の任意のデュープロセス手続についても、既に完了している。

  • 公開草案の策定前における討議資料の公表(ディスカッション・ペーパーなど)
  • アドバイザリーグループやその他専門家諮問グループとの協議
  • 公聴会の実施(ラウンドテーブルを含む)
  • フィールドワークの実施

IASBは、再度、公開草案を公表する必要はないと判断した。上記の手続において、2013年EDに対するコメント提出の機会は提供されなかったものの、2013年EDから重要な変更は行われていないため、IASBは、仮に再度公開草案を公表したとしても、新たな懸念や情報が浮上する可能性は低いと考えている。

弊社のコメント

リース・プロジェクトには多くのパブリック・コメントが寄せられ、長期にわたり審議が行われてきたが、いよいよその完了も間近となった。IASBは、借手が大半のリースをオンバランス化するという目的を維持しつつ、2013年EDからいくつかの簡素化を試みている。それでもなお、新たなリース基準により、多くのリースに関して、実務が著しく変わるであろうと考える(たとえば、現行の借手のオペレーティング・リースなどがその例である)。

2. IASBのウェブサイトのデュー・プロセス・ハンドブックに掲載されている。
3. ディスカッション・ペーパー「リース」:2009年3月の予備的見解
4. 公開草案「リース」2010年8月
5. 公開草案「リース」2013年5月

借手の経過措置に関する開示

IASBは2015年2月の会議で、新たなリース基準の開示規定を審議した。6 しかし、同基準の適用初年度の報告期間における、新たな基準の適用に伴う影響に関する借手の開示案について、一部のIASBメンバーが懸念を表明しため、IASBは、代替案を検討するようにスタッフに指示した。

IASBは2015年3月の会議で、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」第28項(f)で規定されている、IFRSの適用開始に伴う修正に関する開示に代え、以下の事項の開示を求めることを決定した。

  • 適用開始日における加重平均追加借入利子率
  • 以下の差異に関する説明
    • IAS第17号「リース」に従って報告されるオペレーティング・リースに関するコミットメントの、適用開始日直前の年次の報告期間の末日における割引額
    • 適用開始日に累積的なキャッチアップ調整を行うことで貸借対照表に計上されるリース負債の金額
6. 弊社のIFRS Developments第101号「IASBがリースに関する再審議を実質的に完了」を参照されたい。

次のステップ

IASBスタッフは、投票に向けて新たなリース基準の草案の作成を開始する。発効日は、今後の会議で審議される。同時に、IASBは、草案作成過程で浮上する論点について整理を行い、2015年末までに新たなリース基準を公表する予定である。




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