アシュアランス
IFRS Developments

新たなリース基準 発効日及びその他の論点 

2015.10.30
重要ポイント
  • IASBは、新たなリース基準の発効日を2019年1月1日と暫定決定した。また、一定の要件を満たした場合には、早期適用が認められる。
  • IASBは、スタッフが新たなリース基準を起草した段階で明らかになった5つの論点に関して暫定決定を行った。
  • 新たなリース基準は、2015年末頃の公表が見込まれる。

概要

国際会計基準審議会(IASB)は2015年10月の会議で、新たなリース基準の発効日と、新基準の外部向けレビュードラフトに寄せられたコメントから明らかになった5つの論点について議論した。

IASBは、以下の事項を決定した。

  • 発効日
  • 別個の新たなリース契約として取り扱われるリース契約の条件変更
  • 変動金利リースに関する割引率の再評価
  • リースの終了時点で原資産を返還する際に生じるコスト
  • 企業結合における短期リース及び少額リース
  • IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」の適用範囲に含まれるリースの開示規定

これらの決定は、従来までと同様に暫定的なものである。IASBは、これらを新たなリース基準において明確化する可能性がある。

重要な決定事項

発効日

IASBは、新たなリース基準を2019年1月1日以降開始する事業年度から適用すべきことを決定した。ただし、新たな収益認識基準を既に適用している企業、又は新たなリース基準と同時にこれを適用する企業には、早期適用も認められる。財務諸表利用者の多くは、2018年1月1日の発効日を支持していたが、財務諸表作成者の大半は、新たなリース基準の適用に向けて十分な体制を整えるには3年が必要だと考えていた。また、IFRS第9号「金融商品」とIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」が2018年1月1日に発効するため、財務諸表作成者が重要な3つの基準を2018年1月1日から適用するには困難であるとの懸念もみられた。

別個の新たなリース契約として取り扱われるリース契約の条件変更

IASBは、リース契約の条件変更に伴って、1つ以上の原資産を使用する権利が追加されることでリースの範囲が拡大し、当該範囲の拡大部分について独立販売価格相当の対価が増加する場合にのみ、借手はリース契約の条件変更を別個の新たなリースとして取り扱うことを決定した。IASBは、リース期間のみを延長する条件変更では、借手に追加的な使用権が生じないため、別個の新たなリースが生じることはないと考えている。条件変更を別個の新たなリースとして取り扱う場合、借手は、条件変更が合意された日時点で、リース資産及びリース負債を追加で認識することになる。米国財務会計基準審議会も、2015年10月の会議で同様の決定を行っている。

またIASBは、貸手が保有するファイナンス・リースにも当該規定を適用することを決定した。

変動金利リースに関する割引率の再評価

IASBは過去の審議において、リース料が指数又はレートに基づいて決まる場合には、借手はリース料の再評価を行い、リース資産及びリース負債を再測定することになるが、割引率の再評価は行わないことを決定していた。その後IASBは2015年10月の審議において、変動金利リースの場合には、リース料の算定に使用される金利の変動に応じてリース料の見直しが行われるため、借手は割引率の再評価を行うべきことを決定した。

リースの終了時点で原資産を返還する際に生じるコスト

リース契約によっては、借手はリース期間の終了時点で、貸手に原資産を特定の状態で返還すること、原資産を解体撤去すること、又は原資産が置かれていた場所の原状回復をすることが求められる場合がある(すなわち原状回復義務)。IASBは、借手に原状回復義務がある場合には、借手は当該義務をIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従って会計処理すべきことを決定した。IAS第37号に従って発生する当初見積コストは、使用権資産の当初測定に含まれることになる。またIASBは、このような負債はIFRIC第1号「廃棄、原状回復及びそれらに類似する既存の負債の変動」の適用範囲に含まれることを決定した。したがって、負債の測定額の変動は、使用権資産の帳簿価額の調整として処理される。

企業結合における短期リース及び少額リース

IFRS第3号「企業結合」では、被取得取企業が借手となるオペレーティング・リースについて、取得企業はリース条件が市場条件と比較して有利な場合には無形資産を認識し、不利な場合には負債を認識することを求めている。ただしIASBは、企業結合で取得される短期リース及び少額リースに関して、同様の定めは適用されないことを決定した。

IFRS第5号の適用範囲に含まれるリースの開示規定

IFRS第5号は、売却目的保有として分類された非流動資産(又は処分グループ)又は非継続事業の開示規定を定めている。IFRS第5号が適用される場合には、売却目的保有に分類される非流動資産又は非継続事業に関して具体的な開示規定が他の基準で定められている場合を除いて、他の基準で求められる開示は適用されない。IASBは、IFRS第5号の適用範囲に含まれるリースに関して、IFRS第5号の開示規定以外に追加の開示を借手に求めないことを決定した。

次のステップ

IASBは、新たなリース基準を2015年末頃に公表する予定である。




情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?