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IFRSポイント講座

第14部 事業セグメント

2010.12.24

第14部 事業セグメント

セグメント情報の開示は、従来IAS第14号「セグメント別報告」に基づいて行われてきましたが、米国財務会計基準第131号とのコンバージェンスにより、全面的な改訂が行われ、2009年1月1日以後開始事業年度からIFRS第8号「事業セグメント」が適用されています。

また日本においても従来は、「セグメント情報の開示基準」に基づいた開示が行われてきましたが、国際的なコンバージェンスに向けた取り組みの一環として「セグメント情報等の開示に関する会計基準」が公表され、2010年4月1日以後開始する事業年度から適用されています。

IFRS及び日本基準ともに改訂後の内容は、マネジメント・アプローチの考え方が採用されており、両者の差異はほぼ解消されています。現在、日本基準における開示に向けて既に検討を行った若しくは検討を行っている会社も多いものと思いますが、今回はIFRSにおける事業セグメントについて触れて行きたいと思います。

はじめに

セグメントの開示にあたっては、まず事業セグメントを決定し、その事業セグメントにおける経済的特徴、重要性の検討を行った上で開示すべき報告セグメントを決定します。

事業セグメントの決定

事業セグメントとは、企業の構成単位で、下記のすべてに該当するものをいいます。

  1. その活動から収益を獲得し、費用を負担する事業活動に従事するもの
  2. 企業の最高経営意思決定者が、当該セグメントに配分すべき資源に関する意思決定を行い、またその業績を評価するために、その経営成績を定期的に検討するもの(マネジメント・アプローチ)
  3. それについて分離した財務情報を入手できるもの
    なお、立ち上げ中の事業のように、収益獲得に至っていない事業が、事業セグメントに該当する場合もあるので留意が必要です。

マネジメント・アプローチ

本基準では事業セグメントの決定にあたり、最高経営意思決定者が、資源配分の方法の決定や業績測定の際に用いる区分を外部報告目的にも使用するというマネジメント・アプローチの考え方が採用されています。なお、「最高経営意思決定者」とは、事業セグメントに資源を配分し、業績を評価するという機能を示すものであり、必ずしも特定の肩書きを有する経営者を示すものではありません。従って、多くの場合、最高経営責任者(CEO)又は最高執行責任者(COO)が該当しますが、個人ではなく経営会議や取締役会等のグループであることも考えられます。

報告セグメントの決定

事業セグメントの3要件を満たすセグメントのうち、以下の集約基準と量的基準を考慮して報告セグメントを決定します。

集約基準

いくつかの事業セグメントが類似の経済的特徴を有し、かつ当該セグメントが次のすべての点で類似している場合には、当該セグメントを単一のセグメントとして集計することが出来ます。

  • 製品及びサービスの性質
  • 生産過程の性質
  • 当該製品及びサービスの顧客の類型又は種類
  • 当該製品を配送し又は当該サービスを提供するために使用する方法
  • 該当する場合には、例えば、銀行、保険又は公益事業などの、規制環境の性質

量的基準

次の基準のいずれかを満たす事業セグメントに関しては、情報を区分して報告します。

  1. そのセグメントの売上(セグメント間売上を含む)が、全セグメントの売上合計の10%以上である
  2. そのセグメントの損益の絶対値が、次のうち大きいほうの金額の10%以上である
    • 利益を獲得したセグメントの利益合計
    • 損失を計上したセグメントの損失の絶対値合計
  3. そのセグメントの資産が、全セグメント資産合計の10%以上である

また、報告セグメントの外部収益合計額が収益総額の75%未満であれば、少なくとも75%に達するまで、量的基準を満たさない事業セグメントを報告セグメントに追加する必要があるとともに、量的基準を満たさない事業セグメントのうち、経済的特徴が類似し、集約基準の過半数を共有している事業セグメントについては、結合して報告セグメントとすることが出来ます。

開示

決定された報告セグメントに従い、下記の情報を開示します。

  • 一般情報
  • 純損益、資産及び負債に関する情報
  • 調整表

また上記に加えて全社情報の開示として、製品・サービスに関する情報、地域に関する情報、主要な顧客に関する情報も開示します。

次回は、第15部「会計方針」です。




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