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IFRS Outlook

リース会計 - 再公開草案の公表へ~会計処理はどう変わるのか?

2011.10.13
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IASB及びFASBは、リース基準の改訂について、一般への意見募集及び当初の公開草案に関する再審議の内容を受け、再公開草案を共同で公表する準備を進めている。本稿では、プロジェクトの目的及び影響を確認するとともに、当初の公開草案に関して一般への意見募集で寄せられた主な懸念事項のうち、両審議会の再審議で取り上げられた内容を解説する。

航空会社が航空機をすべてリースしていることについて、IASBの前議長であるデイビッド・トゥイーディー卿が、「この中で航空会社の貸借対照表に資産計上されている航空機に乗ったことがある人なんて、いませんよね?」と、夕食会の席で冗談混じりに話してから約10年になる1。この発言は、リースに関係する権利及び義務を、借手の貸借対照表に資産及び負債として計上するため、リース基準を改訂するという基準設定機関としての意思の表れでもあった。

トゥイーディー卿が本年6月に退任した後も、リース基準の改訂作業は、会計基準の改善に関するIASBとFASBの共同プロジェクトの一つとして引き継がれている。2010年8月に、リース会計に関する公開草案(当初の公開草案)が一般への意見募集のために公表され、その後、フィードバック期間を経て、両審議会は当初の提案を大幅に変更するという暫定的決定を行った。この暫定的決定に基づいて、再度一般への意見募集を行うために、再公開草案が2012年上期に公表される予定である2

当初提案からの変更作業のほとんどは、「提案内容が複雑すぎる」、「見積りが広く使われることによって主観的になり比較可能性が阻害される」、「公開草案の適用範囲やリースの定義には概念上の問題がある」といった、企業からの主な懸念に対応するためのものであった。弊社は、リース会計の改善に向けた両審議会の取り組みを支持するものの、そうした企業の懸念にも共感を覚える。そこで、弊社は、当初の公開草案に関するコンサルテーションに積極的に参加し、規程を簡素化できる事項や、特に主観的な見積りの使用を減らすことができる分野について提案を行ってきた。

  1. 2002年8月15日、シドニーでのデイビッド・トゥイーディー卿のスピーチ。オーストラリア政府 財務報告評議会のウエブサイトで入手可。www.frc.gov.au/speeches/tweedie_speech.asp
  2. IASBの作業計画(www.ifrs.orgで入手可)によれば、再公開草案は2012年の上期に公表される予定である。IFRS Developments第10号「リース会計―草案の再公開の決定及び貸手の会計処理に関する新たな提案」も参照されたい。
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