IPO(企業成長サポート)

EY新日本企業成長サミット2019開催報告

2019.04.08
EY新日本有限責任監査法人 企業成長サポートセンター 江戸川 泰路

1. 概要

リーマンショック後、875億円にまで落ち込んだ年間投資額は2017年に1,976億円まで拡大し、国内新規上場会社数も19社から2018年には90社と2015年以降90社前後で安定的に推移しているほか、昨今では100億円を超える大手企業によるベンチャー企業の子会社化事例が出るなど、我が国のベンチャーエコシステムは着実に発展してきました。

一方で、いわゆるユニコーンに目を向けると、2019年1月末の世界のユニコーン326社うち我が国のベンチャーは1社と、グローバルには存在感があるとは言い難い状況となっています。

このような状況を踏まえ、ユニコーンの先、我が国から世界に羽ばたく新産業や新事業を創出するためのメガベンチャーの創生を目指し、その課題や解決策を探るべく、2019年2月27日(水)に虎ノ門ヒルズフォーラムにて「EY新日本企業成長サミット2019」を開催しました。

2. セッションの内容

当日は、当法人松岡副理事長からの開会挨拶の後、東京証券取引所 上場推進部長 横田雅之様より、昨今のIPO市場を取り巻く環境や期待、市場構造の在り方等の検討状況やバイオベンチャー相談窓口のご紹介を頂きました。その後、筆者より本イベントの狙いをご案内し、2つの会場に分かれて8つのセッションに入っていく形で進行しました。

各セッションの内容は、以下の通りです。いずれのセッションにも多数のお客様にご参加いただき、会場からも数多くの質問が出されるなど、登壇者とお客様が一体となって熱い議論が繰り広げられました。

  • A-1 成長を加速させる0→1000の組織作りの秘訣
    メルカリの取締役社長より、10名のときに定め、今でも組織の軸として機能しているミッション、バリューの制定に係る考え方をはじめ、組織作り、評価、採用など多岐にわたる経営の秘訣についてお話しいただきました。
  • A-2 大学発ハイテク技術を事業化するための課題と実践
    日本版ユニコーンの半数程度を占める大学発ベンチャー。東大TLOの代表取締役より、事業化に積極的に取り組み始めている大学の最新の取り組みをご紹介いただいたほか、ペプチドリームの創業者より、創業時の思い、大学、大学発ベンチャー、大企業がR&Dとイノベーションにおいて果たすべき役割等についてお話しいただきました。
  • A-3 ユニコーンベンチャーを支えるキャピタリストに聞く
    ユニコーン3社への投資を担当した3名のベンチャーキャピタリストから、ユニコーンの発掘、支援、EXITまでの体験談をお話しいただいたほか、機関投資家への期待、更なるユニコーン創出に向けた意気込みについて語っていただきました。
  • A-4 日本発ベンチャーが世界に羽ばたくために必要なこと
    海外進出や海外での事業化を成功させているJ-Startup2社の代表取締役より、海外で事業化するに至った経緯、経営者としての心構え、市場の捉え方、チーム作り、コミュニケーションの仕方等についてお話しいただきました。
  • B-1 CEO・CFOが知っておくべき昨今の上場準備の留意点
    証券会社、IPOコンサル、監査法人と異なる立場でIPOに携わっている4名のご登壇者より、昨今の上場審査のポイントとなっているガバナンスやコンプライアンスにかかる留意点等についてお話しいただいたほか、赤字上場を認めることの是非についても議論がなされました。
  • B-2 デジタル時代のCFO像を考える‐会社を成長させる参謀の見つけ方
    常勤取締役2名体制の上場ベンチャーでCFOを担っている2名の取締役より、CFOの心構えやこれからのCFO像の在り方について語っていただきました。両社の代表取締役の個性の違いもあり、参謀の見つけ方についてもタイプ別に示唆に富んだお話しをいただきました。
  • B-3 ベンチャー企業の最近の資金調達の動向とその留意点
    我が国を代表するベンチャー支援者である2名より、資金調達における心構えを皮切りに、米国での資金調達手法、J-KISS、投資契約、バリュエーションの考え方など資金調達の際に実務家が悩むポイントについてお話しいただきました。
  • B-4 上場を果たした注目企業の経営者から学ぶ!IPOの実際
    2018年に上場を果たした2社の代表取締役より、証券会社や監査法人の選定、IPOに向けて苦労した点、赤字上場特有の論点、ロードショーの体験談を本音で語っていただきました。

3. 最後に

当日ご来場いただいたお客様は、多くの企業家のほか、VC、大学、証券会社、銀行関係者等を中心に400名を超えました。また、セッション終了後のレセプションパーティーにも、ご登壇者の皆様をはじめ、大勢の方にご参加いただき、内閣府イノベーション担当の石井芳明様のご挨拶をきっかけに、メガベンチャーエコシステムを語り合うよい機会となりました。

当法人は、我が国のベンチャーエコシステムの更なる発展のためにこれからも尽力して参ります。ご登壇いただいた皆様とご来場のお客様に、心から感謝申し上げます。

EY新日本企業成長サミット2019


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