IPO(企業成長サポート)

関連法令等の改正

2016.06.13
企業成長サポートセンター マネージャー 公認会計士
中野 圭介

関係法令等の改正の概況

平成27年10月~平成28年3月に公表された、主な関係法令等の改正の状況は、表1のとおりです。

修正国際基準(JMIS)の公表を受けて、所定の株式会社にJMISに従って連結計算書類を作成することを許容するための会社計算規則の改正のほか、改正会社法の施行に伴う会社法施行規則の追加的な改正が行われています。

また、企業会計基準委員会(ASBJ)から「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」及び「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」が公表されています。

関係法令等の改正の概況

平成27年10月~平成28年3月に公表された、主な関係法令等の改正の状況は、表1のとおりです。

修正国際基準(JMIS)の公表を受けて、所定の株式会社にJMISに従って連結計算書類を作成することを許容するための会社計算規則の改正のほか、改正会社法の施行に伴う会社法施行規則の追加的な改正が行われています。

また、企業会計基準委員会(ASBJ)から「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」及び「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」が公表されています。

(1)検討項目

実務対応専門委員会において、検討されている項目は以下のとおりです。

  • 権利確定条件付き有償新株予約権をストック・オプション会計基準の適用範囲に含めるかどうか
  • 報酬費用の測定
  • 業績条件は付されているが、勤務条件は付されていないケースの取扱い
  • 権利確定条件付き有償新株予約権について、仮にストック・オプション会計基準を適用する場合の追加論点

(2)ストック・オプション会計基準が適用される場合の影響

権利確定条件付き有償新株予約権は、一般的に、役員又は従業員を対象として、勤務条件及び業績条件(又は業績条件のみ)が付された新株予約権が付与され、企業の株価や新株予約権の内容等が考慮されて一般的なオプション価格算定モデルにより算出された払込金額が払い込まれます。

権利確定条件付き有償新株予約権について、既存の会計基準では、複合金融商品適用指針とストック・オプション会計基準のいずれの適用対象となるかについて、必ずしも明らかではありませんが、ストック・オプション会計基準を適用した場合、複合金融商品適用指針を適用した場合と比較して、業績条件が達成される可能性が高まったときに費用が計上される点が相違します。

(3)検討の状況

権利確定条件付き有償新株予約権については、公正な評価額と払込金額との差額には、インセンティブが含まれ、報酬としての性質を有すると考えられることから、ストック・オプション会計基準を適用することが適切として検討されています。

実態として、業績拡大や企業価値の増大を目指して発行しているケースが多く、また、役員又は従業員に限定して付与される点や権利確定条件が付されているといった状況を反映しています。

報酬費用の測定において、権利確定条件付き有償新株予約権における報酬費用の総額は、権利確定日において付与されたストック・オプションの価値を算定することにより確定します。この場合、報酬費用の総額は、無償のストック・オプションに比べ、新株予約権の払込金額の分だけ少なくなるとされています。

業績条件は付されているものの、勤務条件は付されていないケースにおいては、業績条件達成前に退職する場合でも、業績条件が達成されれば権利行使が可能となるケースがあり、退職時点で費用を測定すべきか否かについて検討されています。

表1
区分 主な法令等 内容
  • 修正国際基準(JMIS)関連
  • 改正会社法
  • 会社計算規則
  • 会社法施行規則
  • 平成28年1月8日施行
  • 企業会計基準委員会(ASBJ)から「修正国際基準」(JMIS)が公表され、金融庁から連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令が公布されたことを受けて、所定の株式会社に修正国際基準に従って連結計算書類を作成することを許容するための会社計算規則の改正。
  • 改正会社法の施行に伴う会社法施行規則の追加的な改正。
  • 監査等委員にかかる、社外役員及び社外取締役候補者の要件の追加や、株主総会に報告をすべきときは、株主総会参考書類の記載事項として、その報告の内容の概要の追加
  • 債権者及び親会社社員閲覧権を、電磁的記録に記録された監査役会議事録の表示方法に準用する場合に追加するもの。
  • 税効果会計(ASBJ)
  • 「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)
  • 監査委員会報告第66号における企業の分類に応じて繰延税金資産の回収可能性を判断するという枠組みを基本的に踏襲する。
  • 分類2の企業におけるスケジューリング不能な将来減算一時差異のうち、一定の要件を満たす場合は、当該将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性があるものとして取り扱う。
  • 分類4又は分類5の要件について、「期末における重要な税務上の繰越欠損金の存在」や「債務超過の状況」等の期末の残高(ストック)は考慮せず、過去(3年)及び当期の税務上の欠損金の状況(フロー)等により判定する。
  • 平成28年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用する。
  • 平成28年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することができる。
  • 税効果会計(ASBJ)
  • 「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第27号)
  • 繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に用いる税率について、「税効果会計に係る会計基準」を適用する際の指針を定めるもの。
  • 法人税、地方法人税及び地方法人特別税並びに住民税等に関しては、決算日において国会で成立している法人税法等及び地方税法等に規定されている税率によることとなり、「公布日基準」から「成立日基準」に改正されている。
  • 平成28年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用する。


情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?