IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2017年1月~9月

2017.10.20
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2017年1月~9月の国内株式市場は、日経平均株価が6月上旬に2015年12月以来1年半ぶりで2万円となり、その後も2万円前後の安定した状態が続いております。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は、58社(TOKYO PRO Marketを含む。以下同様)となりました。前年同期(2016 年1月~9月)と比較した場合1社減となり、ほぼ同数となっています。2017年1年間の新規上場企業数も、昨年並みになると予想されています。また、市場別に見ると、全体の56.9%にあたる33社がマザーズに上場しており、新興市場合計で全体の84.5%を占めています(表1)。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、情報・通信業18社、サービス業14社で全体の55.2%を占め、他の業種社数と開きが見られます。次いで多いのは小売業7社、電気機器製造業4社、卸売業4社、他にも多岐にわたる業種が上場しています(表2)。

本社所在地別では、全体の67.2%にあたる39社が東京都であり、依然として東京都が中心となっています。次いで北海道・愛知県の3社、他にも1府8県の企業が上場しています。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。東証以外の市場(東証に同日上場した場合を除く)では、札証アンビシャスにフュージョン(株)、エコモット(株)の2社が上場しています(表3)。

直前期の売上高の分布を見ると、10 億円未満の企業が8 社(14%)、10 億円以上50 億円未満の企業が27 社(47%)であり、全体の約6 割を売上高50 億円未満の比較的小規模な企業が占めています。売上高が1,000 億円を超える新規上場企業は(株)LIXIL ビバ・西本Wismettacホールティングス(株)・(株)スシローグローバルホールディングスの3 社にとどまっています。

初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業が6社(10%)、50億円以上100億円未満の企業が19社(33%)であり、全体の1/2弱程度と例年並みとなっております。また、TOKYO PRO Marketを除いた新規上場企業においては、初値が公開価格を下回る企業は55社中5社となっており、初値上昇率の平均も113.6%とIPO市場の好況さが伺われます。

監査法人別では、新日本有限責任監査法人が17社(29.3%)で最も多く、次に有限責任監査法人トーマツが16社(27.6%)、有限責任あずさ監査法人が10社(17.2%)となっております。

(下の図をクリックすると拡大します)

最近5年間(1月~9月)の市場別新規上場企業数

表2 2017年(1月~9月)の業種別新規上場企業数

 社数 シェア
建設業23.4%
化学工業11.7%
医薬品製造業11.7%
電気機器製造業46.9%
その他製品製造業23.4%
電気・ガス業11.7%
倉庫・運輸業11.7%
情報・通信業18 31.0%
卸売業46.9%
小売業712.1%
不動産業35.2%
サービス業1424.1%
合計58100.0%

表3 2017年(1月~9月)の地域別新規上場企業数

 社数 シェア
北海道35.2%
埼玉県11.7%
東京都3967.2%
神奈川県23.4%
福井県11.7%
山梨県11.7%
愛知県35.2%
三重県23.4%
京都府23.4%
大阪府23.4%
兵庫県11.7%
福岡県11.7%
合計58100.0%