IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2017年1月~12月

2018.01.20
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2017年1月~12月の国内株式市場は、日経平均株価が6月上旬に2015年12月以来1年半ぶりで2万円台となり、その後も2万円前後の安定した状態が続き、2017年12月最終日終値は22,764円となりました。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は、97社(TOKYO PRO Market を含む。以下同様)となりました。前年同期(2016年1月~ 12月)と比較した場合11社増となり、市場の活況さを伺える結果となっております。市場別に見ると、全体の50.5%にあたる49社がマザーズに上場し、新興市場合計で全体の79.4%を占めています(表1)。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、サービス業26 社(昨年24 社)、情報・通信業23社(昨年25社)となっており、それぞれ全体の約1/4を占め、他の業種社数と開きが昨年と同様に見られます。次いで多いのは小売業9社と不動産業7社となり、多岐にわたる業種が上場しています(表2)。

本社所在地別では、全体の64.9%にあたる63社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都が中心です。次いで大阪府5社、愛知県5社、他にも14県の企業が上場し、昨年とほぼ同様の傾向にあります。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。東証以外では、東証に同日上場した場合を除きますと、名証2部に(株)ミダック、札証アンビシャスにフュージョン(株)、エコモット(株)が上場しています。

直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が12社(12%)、10億円以上50億円未満の企業が44社(45%)であり、全体の半数以上を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。売上高が1,000億円を超える新規上場企業は、東証1部に上場した7社にとどまっています。

初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業が12社(12%)、50億円以上100億円未満の企業が24社(25%)であり、全体の1/3を占めます(図2)。時価総額500億円を超えた企業は、昨年は4社でありましたが、2017年は10社に増えています。SGホールディング(株)、(株)オプトランの2社は時価総額が1,000億円超となっています。マザーズとジャスダック市場の平均時価総額は158億円と、前年同期の89億円と比較して大幅に増加しました。

(下の図をクリックすると拡大します)

最近5年間(1月~12月)の市場別新規上場企業数

表2 2017年(1月~12月)の業種別新規上場企業数

 社数 シェア
建設業22.1%
繊維工業11.0%
化学工業33.1%
医薬品製造業11.0%
機械製造業11.0%
電気機器製造業55.2%
その他製品製造業44.1%
電気・ガス業11.0%
情報・通信業2323.7%
倉庫・運輸業33.1%
卸売業88.2%
小売業99.3%
その他金融業33.1%
不動産業77.2%
サービス業2626.9%
合計97100.0%

表3 2017年(1月~12月)の地域別新規上場企業数

 社数 シェア
北海道33.1%
群馬県11.0%
埼玉県33.1%
千葉県22.1%
東京都6364.9%
神奈川県22.1%
石川県11.0%
福井県11.0%
山梨県11.0%
静岡県11.0%
愛知県55.2%
三重県22.1%
京都府33.1%
大阪府55.2%
兵庫県11.0%
広島県22.1%
福岡県11.0%
合計97100.0%