IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2018年1月~9月

2018.10.25
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2018年1月~9月の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値23,000円台でスタートし、3月後半には一旦21,000円を割り込みましたが、その後回復し、9月末には24,120円となり落ち着いた状態が続いております。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は66社(TOKYO PRO Marketを含む。以下同様)となりました。前年同期(2017年1月から9月)と比較した場合8社増となり、順調に新規上場企業数が増加しております。市場別に見ると、全体の65.2%にあたる43社がマザーズに上場しており、新興市場合計で全体の86.4%を占めています(表1)。

表1 最近5年間(1月~9月)の市場別新規上場企業数

(下の図をクリックすると拡大します)
(単位:社)
(注1)対象期間に新規上場実績のある市場のみを上記に記載しています。
(注2)東証と同日に他の市場に上場している場合は、東証の実績に含めています。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、サービス業20社(30.3%)がトップ、続いて情報・通信業19社(28.8%)、不動産業6社(9.1%)となり、 3社を合わせると全体の2/3を占め、他の業種とで大きな開きが見られます(表2)。

表2 2018年(1月~9月)の業種別新規上場企業数

表2 2018年(1月~9月)の業種別新規上場企業数

本社所在地別では、全体の7割以上にあたる48社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都と関東圏が中心となっています。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています(表3)。

表3 2018年(1月~9月)の地域別新規上場企業数

表3 2018年(1月~9月)の地域別新規上場企業数

直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が14社(21%)、10億円以上50億円未満の企業が30社(45%)であり、全体の約7割を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。売上高が500億円を超える新規上場企業は東証1部上場の国際紙パルプ商事㈱、㈱ワールド、日総工産㈱、マザーズ上場のSBIインシュアランスグループ ㈱、の4社にとどまっています(図1)。

図1 2018年(1月~9月)新規上場企業・直前期売上高

図1 2018年(1月~9月)新規上場企業・直前期売上高

初値時価総額の分布を見ると、50億円以上100万円未満の企業が20社(30%)、100億円以上200億円未満の企業が19社(29%)であり、全体の半数を占めております。時価総額が500億円を超えたのは、㈱メルカリ(6,766億円)、㈱MTG(2,274億円)、HEROZ㈱(1,633億円)、㈱ワールド(997億円)、RPAホールディングス㈱(738億円)、㈱ジェイテックコーポレーション㈱(545億円)の6社であり、6社中5社がマザーズへ上場しています(図2)。

図2 2018年(1月~9月)規上場企業・初値時価総額

図2 2018年(1月~9月)規上場企業・初値時価総額

また、TOKYO PRO Marketを除いた新規上場企業においては、公募割(初値が公開価格を下回る)企業は60社中3社となっており、初値上昇率の平均も127%とIPO市場の好況さが伺われます。

監査法人別では、2015年1月~2018年9月までを通算するとEY新日本有限責任監査法人100社(28.8%)、有限責任監査法人トーマツ89社(25.6%)、有限責任あずさ監査法人が71社(20.5%)となっており、大手監査法人に集中しております(表4)。

表4 2015年~2017年及び2018年1月~9月の監査法人別新規上場企業数

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