IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2018年1月~12月

2019.01.30
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2018年1月~12月の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値23,000円台でスタートし、その後概ね21,000円台から23,000円台の比較的安定した状態が続いておりましたが、景気先行不安の影響からか2018年12月後半には20,000円台を割り込み、12月最終日終値は20,014円となりました。

そのような市場環境の中で、新規上場企業数は、98社(PRO Marketを含む。以下同様)となりました。前年同期(2017年1月~12月)と比較した場合1社増となっております。
市場別に見ると、全体の64.3%にあたる63社がマザーズに上場し、新興市場合計で全体の87.8%を占めています(表1)。

表1 最近5年間(1月~12月)の市場別新規上場企業数

(下の図をクリックすると拡大します)
(単位:社)
(注1)対象期間に新規上場実績のある市場のみを上記に記載しています。
(注2)東証と同日に他の市場に上場している場合は、東証の実績に含めています。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、サービス業30社(昨年26社)、情報・通信業29社(昨年23社)となっており、それぞれ全体の約30%を占め、他の業種社数と開きが昨年と同様に見られます。次いで多いのは不動産業9社と小売業6社となり、多岐にわたる業種が上場しています。(表2)。本社所在地別では、全体の69.4%にあたる68社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都が中心です。次いで大阪府6社、兵庫県4社、他にも14県の企業が上場し、昨年とほぼ同様の傾向にあります。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。東証以外では、東証に同日上場した場合を除きますと、札証アンビシャスに(株)FUJIジャパンが上場しています。

表2 2018年(1月~12月)の業種別新規上場企業数

表2 2018年(1月~12月)の業種別新規上場企業数

表3 2018年(1月~12月)の地域別新規上場企業数

表3 2018年(1月~12月)の地域別新規上場企業数

直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が21社(22%)、10億円以上50億円未満の企業が43社(44%)であり、全体の2/3以上を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。売上高が1,000億円を超える新規上場企業は、東証1部に上場した3社にとどまっています。

図1 2018年(1月~12月)新規上場企業・直前期売上高

図1 2018年(1月~12月)新規上場企業・直前期売上高

初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業が20社(20%)、50億円以上100億円未満の企業が29社(30%)であり、全体の半数を占めます(図2)。時価総額500億円を超えた企業は、昨年(10社)並みの9社となっています。ソフトバンク(株)、(株)メルカリ、(株)MTG、HEROZ(株)の4社は時価総額が1,000億円超となっています。マザーズとジャスダック市場の平均時価総額は285億円と、前年同期の158億円と比較して大幅に増加しました。

図2 2018年(1月~12月)新規上場企業・初値時価総額

図2 2018年(1月~12月)新規上場企業・初値時価総額

監査法人別では、2016年~2018年までを通算するとEY新日本有限責任監査法人82社(29.2%)、有限責任監査法人トーマツ72社(25.6%)、有限責任あずざ監査法人が56社(19.9%)となっており、大手監査法人に集中しております(表4)。

表4 2016年~2018年の監査法人別新規上場企業数

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