IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2019年1月~3月

2019.04.25
EY新日本有限責任監査法人
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2019年1月~3月の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値19,561円でスタートしたものの、翌日には20,000円台に上昇し、その後 2月に入り21,000円台となり、3月末には 21,033円と落ち着いた状態が続いております。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は 23社(TOKYO PRO Market を含む。以下同様)となりました。前年同期(2018年1月から3月)と比較した場合6社増となり、順調なスタートとなっております。市場別に見ると、全体の 65.2%にあたる 15社がマザーズに上場しており、新興市場合計で全体の 82.6%を占めています(表1)。

<表1> 最近5年間(1月~3月)の市場別新規上場企業数

(注1)対象期間に新規上場実績のある市場のみを上記に記載しています。
(注2)東証と同日に他の市場に上場している場合は、東証の実績に含めています。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、サービス業10社が全体の43.5%を、情報・通信業8社が34.8%を占め、他の業種社数と開きが見られます。次いで多いのは建設業、卸売業の2社(各8.7%)となっています(表2)。

<表2> 2019年(1月~3月)の業種別新規上場企業数

表2 2019年(1月~3月)の業種別新規上場企業数

本社所在地別では、全体の65.2%にあたる15社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都が中心です。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。

直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が4社(18%)、10億円以上50億円未満の企業が10社(44%)であり、全体の3分の2を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。売上高が500億円を超える新規上場企業は東証1部上場の日本国土開発(株)1社にとどまっています。

<図1> 2019年(1月~3月) 新規上場企業・直前期売上高

図1 2019年(1月~3月) 新規上場企業・直前期売上高

初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業6社(26%)、50億円以上100億円未満の企業が5社(22%)、100億円以上200億円未満の企業が7社(31%)であり、全体の8割程度を占めております(図2)。また、TOKYO PRO Marketを除いた新規上場企業においては、公募割(初値が公開価格を下回る)企業は21社中1社となっており、初値上昇率の平均も85%とIPO市場の好況さが伺われます。

<図2> 2019年(1月~3月) 新規上場企業・初値時価総額

図2 2019年(1月~3月) 新規上場企業・初値時価総額

監査法人別では、23社中17社が大手監査法人となっております。2016年1月~2019年3月までを通算するとEY新日本有限責任監査法人90社(29.6%)、有限責任監査法人トーマツ75社(24.7%)、有限責任あずさ監査法人が62社(20.4%)となっております。