IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2019年1月~9月

2019.10.30
EY新日本有限責任監査法人
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2019年1月~9月の国内株式市場は、1月の日経平均株価終値が19,000円台でスタートし、その後20,000円台~21,000円台で変動しながら、9月には22,000円台に上昇し、9月末には21,755円に落ち着いております。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は57社(TOKYO PRO Marketを含む。以下同様)となりました。前年同期(2018年1月から9月)と比較した場合9社減となり、2016年・2017年同期並みの上場数となっております。市場別に見ると、全体の64.9%にあたる37社がマザーズに上場しており、新興市場合計で全体の87.7%を占めています(表1)。

<表1> 最近5年間(1月~9月)の市場別新規上場企業数

(注1)対象期間に新規上場実績のある市場のみを上記に記載しています。
(注2)東証と同日に他の市場に上場している場合は、東証の実績に含めています。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、情報通信業20社が全体の35.1%を、サービス業16社が28.1%を占め、他の業種社数と開きが見られます。

次いで多いのは小売業、不動産業の4社(各7.0%)となっています(表2)。

<表2> 2019年(1月~9月)の業種別新規上場企業数

表2 2019年(1月~9月)の業種別新規上場企業数

本社所在地別では、全体の56.1%にあたる32社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都が中心ですが、前年に比べますと他道府県を所在地とする会社も多くみられます。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。

<表3> 2019年(1月~9月)の地域別新規上場企業数

表3 2019年(1月~6月)の地域別新規上場企業数

直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が12社(21%)、10億円以上50億円未満の企業が27社(47%)であり、全体の3分の2を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。

<図1> 2019年(1月~9月)新規上場企業・直前期売上高

図1 2019年(1月~6月)新規上場企業・直前期売上高

売上高が500億円を超える新規上場企業は東証1部上場の日本国土開発(株)1社にとどまっています。

初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業18社(32%)、50億円以上100億円未満の企業11社(19%)、100億円以上200億円未満の企業が16社(28%)であり、全体の約8割を占めております(図2)。また、TOKYO PRO Marketを除いた新規上場企業においては、公募割(初値が公開価格を下回る)企業は50社中5社となっており、初値上昇率の平均も70%とIPO市場の好況さが伺われます。

<図2> 2019年(1月~9月)新規上場企業・初値時価総額

図2 2019年(1月~6月)新規上場企業・初値時価総額

監査法人別では、57社中34社が大手監査法人となっております。2016年1月~2019年9月までを通算するとEY新日本有限責任監査法人95社(28.1%)、有限責任監査法人トーマツ82社(24.3%)、有限責任あずさ監査法人が67社(19.8%)となっております。

<表4> 2016年~2018年・2019年1月~9月の監査法人別新規上場企業数

表4 2016年~2018年・2019年1月~9月の監査法人別新規上場企業数