IPO(企業成長サポート)

日本の新規上場動向 - 2019年1月~12月

2020.01.28
EY新日本有限責任監査法人
企業成長サポートセンター
税理士 左近司 涼子

1. 新規上場市場の概況

2019年1月~12月の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値19,000円台でスタートし、その後概ね21,000円台から23,000円台の比較的安定した状態の中で徐々に上昇を続け、2019年12月中旬には24,000円台を回復し、12月最終日終値は23,656円となりました。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は、95社(PRO Marketを含む。以下同様)となりました。前年同期(2018年1月~12月)と比較した場合3社減となっております。市場別に見ると、全体の67.4%にあたる64社がマザーズに上場し、新興市場合計で全体の87.4%を占めています(表1)。

表1 最近5年間(1月~12月)の市場別新規上場企業数

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(単位:社)
(注1)対象期間に新規上場実績のある市場のみを上記に記載しています。
(注2)東証と同日に他の市場に上場している場合は、東証の実績に含めています。

2. 新規上場企業データの分析

業種別では、情報・通信業35社(昨年30社)、サービス業28社(昨年29社)となっており、それぞれ全体の約30%を占め、他の業種社数と開きが昨年と同様に見られます。次いで多いのは卸売業7社と小売業と不動産業の6社となり、多岐にわたる業種が上場しています(表2)。

本社所在地別では、全体の68.4%にあたる65社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都が中心です。次いで愛知県9社、大阪府7社、福岡県3社、他にも8県の企業が上場し、昨年とほぼ同様の傾向にあります(表3)。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。東証以外では、東証に同日上場した場合を除きますと、福証本則・札証アンビシャス・名証セントレックス・福証Q-Boardに各1社が上場しています。

表2 2019年(1月~12月)の業種別新規上場企業数/表3 2019年(1月~12月)の地域別新規上場企業数

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直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が17社(18%)、10億円以上50億円未満の企業が48社(50%)であり、全体の2/3以上を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。売上高が1,000億円を超える新規上場企業は、東証1部と2部に上場した2社にとどまっています。

初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業が21社(22%)、50億円以上100億円未満の企業が22社(23%)であり、全体の半数弱を占めます(図2)。時価総額500億円を超えた企業は、昨年(10社)より減少し6社となっています。Sansan(株)、フリー(株)、(株)JMDCの3社は時価総額が1,000億円超となっています。マザーズとジャスダック市場の平均時価総額は221億円と、前年同期の285億円より減少しました。

赤字上場(直前期の当期純利益が赤字で上場した会社)数は19社(20%)であり、昨年の11社(11%)に比して増加傾向にあります。

図1 2019年(1月~12月)新規上場企業・直前期売上高/図2 2019年(1月~12月)新規上場企業・初値時価総額

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監査法人別では、2017年から2019年までを通算するとEY新日本有限責任監査法人77社(26.6%)、有限責任監査法人トーマツ70社(24.1%)、有限責任あずさ監査法人が61社(21.0%)となっており、大手監査法人に集中しております(表4)。

表4 2017年~2019年の監査法人別新規上場企業数

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