勤怠管理の問題から未払給与があることが発覚しました。未払給与について株式上場の審査上の留意点を教えて下さい。

2014年7月31日
カテゴリー IPO Q&A

Question

勤怠管理の問題から未払給与があることが発覚しました。未払給与について株式上場の審査上の留意点を教えて下さい。

Answer

未払給与の有無は上場審査において最も注目される点の1つです。

未払給与が存在する場合には、従業員に対して書面で確認するとともに、速やかに支払う必要があります。また、労働債権の時効は改正民法および改正労働基準法により、2020年4月1日以降は5年(当分の間3年)となったため、過去5年以内に退職した従業員についても現在の従業員と同様の取り扱いが求められます。

上場審査では、未払給与が発生した原因、解消方法とともに、再発防止に向けた体制の整備・運用状況についての説明が求められます。給与は従業員の役務提供(労働)の対価として支払われるものであるため、未払給与が生じた場合、給与の対象となった労働の発生に応じて、各会計期間の費用として帰属させます。つまり、会計上の給与発生時期と実際の給与支給時期とは切り離して考えます。この点、労働の発生が過年度であった場合、過年度の財務諸表の修正が必要となります。