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新興国コンサルティングサービス

「日本‐アフリカビジネスフォーラム2014」を終えて

2014.08.06
新興国コンサルティング室 アフリカデスク
マネージャー 田甫 吉識

アフリカの人口は現在約10億人ですが、2050年迄には20億人と倍増し、中間所得層の拡大が予想されていることから、アジアの次の新興市場と言われています。昨年5月の第5回アフリカ開発会議(Tokyo International Conference on African Development 5th,略称 TICADⅤ) 及び年初の安倍首相のアフリカ歴訪など、日本政府のアフリカ支援が力強く進められています。このような状況を踏まえ、在京アフリカ外交団(ADC)アフリカ開発銀行(AfDB)の呼びかけのもと、日本政府や国際機関そして日本及びアフリカ民間企業の協賛・後援により、「アフリカでの成功のために-拡大し続ける成長と機会」をテーマに2014年6月10日、11日に「日本‐アフリカビジネスフォーラム2014」が開催されました。本フォーラムでは、日本及びアフリカのビジネスリーダーや公的部門の要人が多数参加し、成長し変貌するアフリカの現状、拡大するビジネス機会について活発な討論が行われました。

オープニングセッションにおいて南アフリカ共和国Mohau Pheko全権大使は、日本政府及び民間企業の長期的なコミットメントに対して謝意を表明するとともに、アフリカの持続的な経済成長が今後も必要と訴え、マッキンゼー・サブサハラ事務所のAdam Kendall氏は、アフリカの経済成長の寄与度における資源関連の割合が25%程度まで下がっており、資源以外の寄与度の割合が上がっていることから、経済のすそ野が広がっていることを示す証左であると強調しています。また、エネルギーとインフラに関しては、Davis Chirchir ケニア共和国・エネルギー石油長官より、太陽光、風力、地熱発電について事業機会がある旨の説明がありました。
アフリカ投資に関するリスク対応とリスク管理のセッションでは、アジア地域を担当するEY 南アフリカの汎アフリカタックスデスクパートナーのRendani Neluvhalani氏は、日本企業が投資するにあたりアフリカ市場にて感じているリスクや、アフリカを細分化した市場調査のポイント、そして、多国籍企業のアフリカでの人材育成の取り組みの重要性を改めて強調しました。

加えて、EYアフリカがその独自の視点から調査した「アフリカ魅力度調査2014」に おいて、アフリカ地域の魅力がアジアと並び第2位になっている状況や、アフリカで成功を上げている個々の企業の状況と特性に関する事例を紹介しています。

2日目の国別セッションでは、約20か国のセッションが設けられ、それぞれ自国の魅力をアピールし、質疑応答や人的交流を図る機会がありました。
私たちが出席したケニアのセッションでは、Equity Bank 理事会議長のPeter Munga氏が、教育・訓練の進展により労働者の水準が高まっているとして製造業の誘致をアピールするとともに、これにあわせて、石油等の資源が発見されており、資源国としての魅力も増していることをアピールしていました。また、南アフリカ共和国のセッションでは、在京大使館の経済担当参事官であるManley Barnard氏より、製造業に対する投資インセンティブについての説明がありました。また、モザンビークのセッションにおいて、モザンビーク投資センター局長のLourenco Sambos氏は、最近注目を浴びている天然ガス等の鉱物資源の他に観光資源の豊富さについても述べ、日本からの投資のみならず、観光客の誘致を期待すると発言しています。

アフリカにおける近年の好調な経済成長を背景とし、若い世代を数多く抱える人口構造から市場として注目されはじめているアフリカ側の登壇者は、自信に溢れた発言が多かったことが特徴的です。国を代表する人物の講演が終わった時のある種の熱狂には、日本人から見ていてもアフリカ地域の発展への強い希望と熱い思い、そして日本と協力して発展したいという、高い期待を感じることができました。

本フォーラムに参加し、アフリカ市場の可能性と人材育成の重要性を改めて認識するとともに、今回得た知見、人脈等を活かし、日本企業がアフリカでの存在感を増すよう、官民一体となりアフリカ地域への貢献の必要性を改めて感じる非常に良い機会となりました。